竜沢寺でのお灸教室(執筆者:愛媛県立中央病院 山岡傳一郎氏)

山岡傳一郎タイトル1

私は、数年前から城川に興味をもつようになりました。

きっかけは竜沢寺に行ったことからです。

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私のところに勤務していた鍼灸師が「竜沢寺でのお灸教室」を発案しました。文化的にも価値の高い、神々しい場所で、治療文化としてのお灸(弘法大師も伝えたもの)をもう一度広めたい。
こんな気持ちが起こり急に城川に興味をもちました。文化は一度なくなってしまうと、もう一度作り出すことは難しいといわれます。健康も同じです。つまり、文化的な生活の中で健康作りをしていくことが大切ではないかと考えました。

お灸教室

その時開いたお灸教室で、『掃除』『料理』『洗濯』の話をさせていただきました。まず、竜沢寺ではみんなで境内の掃除をさせたいただきました。
久しぶりに持った竹箒の感触は、中学生時代以来のものでした。掃除をすると境内が綺麗になっただけでなく、私達の心の中も綺麗になった感覚を持ちました。
和尚さんから講話をうかがい、さらに精進料理もいただきました。料理を食べると心も清流で清められる感じになりました。掃除、料理、洗濯は心を病んだ方々に良い影響を出すものだと言われています。

その日は洗濯をしませんでしたが、洗濯板で洗うと風情がもっとあるでしょう。洗濯機で洗った場合には、乾いた洗濯物を折りたたむときに、心も整頓される気分になります。
集まって頂いた皆さんへは心と身体のために、掃除・料理・洗濯をお勧めしました。

結び

城川には竜沢寺をはじめ、たくさん良い所があります。
そして、いい人がたくさんいます。
いい人がいい所で、外から来た人々に、「お・も・て・な・し」(滝川クリステル風にou-mou-te-na-shi)をすることは素晴らしいことです。おもてなしの心で掃除・料理・洗濯をして、健康になることが愛媛県、そして四国全体に広がることを願います。

私の勤務する病院でも、病気の人々にこのようなおもてなしを出来るようなりたいと思っています。


◆執筆者:山岡傳一郎氏

愛媛県立中央病院

漢方内科 主任部長