経口補水液は脱水症状を感じてから(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)

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暑い時期は“熱中症対策”が気になりますね。1
経口補水液が販売されていますが、たまに飲み方を間違えている方を目にします。
経口補水液は熱中症予防・水分補給を積極的にしたいタイミングで飲むものではありません。
その辺りを解説致します。

スポーツドリンク VS 経口補水液

経口補水液は、食塩と糖を合わせて水に溶かしたもので、下痢・嘔吐等の脱水症状の治療に用いられる飲料です。
脱水症状を改善するためには、病院で点滴をすると一番良いのですが、病院に行けない状況・環境の時や病院に行くまでの応急処置として経口補水液は有効であると言えます。

スポーツドリンクと経口補水液の違いは、ナトリウム量と炭水化物量(糖分)です。
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運動中に適した水分補給の組成は以下の通りです。
・塩分濃度:0.1~0.2%(100ml中にナトリウムが40~80mg)
・糖分濃度:3~5%
これは脱水を起こしていない状態で水分補給のスムーズな組成です。また糖分に関しては、多少のエネルギー補給の目的もあります。
(暑くない時期で、1.5時間未満の運動中の水分補給には水でOK。一方、長時間の運動や炎天下での運動の場合はスポーツドリンクが良いとされています。)

商品になっている経口補水液500mlには、味噌汁1杯分(150ml)又は梅干し中1個分(梅肉約7g)の塩分、100%オレンジジュース180ml分又はバナナ1本分(約100g)のカリウムが含まれているそうです。
カリウムはフルーツ全般・生野菜に多く含1
まれています。普段から毎食に生野菜のサラダにドレッシングをかけて食べれば、塩分もカリウムもとれますね。(塩分のとり過ぎには注意です。)また、夏はどうしても食欲が湧かなくてと言う方は、ご飯(麺)+おかず+野菜が組み合わさった丼物も良いですね。私は夏にタコライスをよく食べます。牛乳が水分補給にとても良く、スポーツドリンクよりも水分の取り込みが早いという調査結果もあります。バナナミルクというのも1つですね。

 

熱中症あれこれ

熱中症と言っても、症状は様々です。
十分な水分補給がされずに体重の3%以上の水分が排出されると良くない症状が起こってしまいます。
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加齢により、発汗し始めが遅れる・発汗量が減少する・皮膚血流量が低下し、放熱作用が弱くなる・ノドの乾きを強く感じず水分補給が遅れるため、高齢者は特に注意が必要です。さらに運動習慣がないと熱に対する耐性が低いため注意が必要です。
皮膚の感受性が低下して、暑さを自覚しにくくなりやすいので、部屋に温度計・湿度計を設置し温度管理する事も大切です。
体重をチェックする事で、食事量も含め水分補給が適量であるかを確認するのも1つです。

 

経口補水液の作り方

脱水症状があるけれど経口補水液が手元にない場合は、簡単に作る事ができます。
    水1ℓ+砂糖40g+塩(3g)

経口補水液の商品説明には、以下のように記載されています。
    感染性腸炎・感冒による下痢・嘔吐・発熱を伴う脱水症状・高齢者の経口摂取不足による脱水状態・
    過度の発汗による脱水状態に適しています。

脱水をしないようにと予防のための飲料ではありませんね。

また飲み方として以下の記載がされています。
    学童~成人(高齢者を含む):500~1,000ml/日
    幼児:300~600ml/日
    乳児:体重1kgあたり30~50ml/日

経口補水液を多く飲めば良いという物でもありませんね。

夏バテを起こさないように・熱中症にならないよう、食事と適切な水分補給で暑い夏を乗り切りましょう!
下記のコラムも合わせてご覧いただければと思います。
夏は汗をかくから塩分をとった方が良い?
http://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/272/

夏バテを吹っ飛ばせ!
http://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/1438/

 

 


◆執筆者:河谷彰子氏

管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ  アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師

日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。

URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm

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