夏は汗をかくから塩分をとった方が良い?(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)

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塩分をとっておきたい時は、大量の汗をかく運動をした時のみ。1

体重の半分以上が水分。その役割の1つに体温調整があり、気温の高い時期は体温を下げるために発汗量が多くなり、水分補給が大切です。メディアによっては塩分補給も勧めていますが、本当に塩分補給する必要があるのかな?と感じます。
それは塩分補給が必要なほど塩分が排出されているとは考えづらいからです。
通常、1.5時間未満の運動では水分補給は水で良いとされています。大量に汗をかく運動時等はスポーツドリンクから水分補給と共に塩分補給をする必要がありますが、最近よく目にする塩分入りの飴や塩を舐める必要はないと言えるでしょう。

 

汗の内訳2

汗のかき方によって汗に含まれる塩分濃度は異なりますが、約0.3%とすると500mlの汗には約1.5g・1,000mlなら3gの塩分が体外に出ていると考えられます。
日常生活での発汗量であれば、塩分を食事以外でとる必要は無い量と言えます。
いわゆるスポーツドリンクには0.1~0.2%の塩分が入っているため、500mlのスポーツドリンクには0.5~1gの塩分が含まれている事になります。

 

塩分はまだまだ減らさないといけない。3

平成23年国民健康栄養調査(厚生労働省)によれば、日本人の食塩摂取量は、男性10.9g/日・女性9.4g/日です。一方で“日本人の食事摂取基準(2010年版)”(厚生労働省)では食塩摂取の目標量として成人男性9g未満/日・女性7.5 g/日としています。
さらに日本高血圧学会では6g未満/日、欧米のいくつかの国では高血圧症でない方も6g/日、WHO(世界保健機構)は世界の人の減塩目標を5g/日にしています。
そして日本高血圧学会では、夏でも高血圧の方は塩分を制限する事が望まれるとしています。
現在とっている食塩量が多い現状と発汗から体外に出る塩分量を差し引くと、大量に汗をかく状況(1時間で1リットル以上の発汗を伴う運動を1時間以上実施)でない限り、塩分補給が必要では無い事がお分かりになるでしょう。

 

エアコンも使いよう。4

夏場に問題になる熱中症ですが、汗を上手にかけないと高くなった体温が上手に逃げず、熱中症になってしまいます。熱中症の原因の1つに水分補給不足が挙げられますが、それ以外に冷房の効いた部屋で過ごす時間が長すぎると汗腺(汗が出る所)の働きが鈍くなり、発汗量が少なくなり体温調整がしにくくなります。
適度な運動で汗を流すのはベストですが、運動は苦手だという方は、シャワーではなく湯船に浸かって汗をかく事で汗腺に刺激を与えるのも熱中症の予防に良いと言えますよ。

 


◆執筆者:河谷彰子氏

管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ  アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師

日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。

URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm

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