冬至と言えば、カボチャ(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)

河谷彰子タイトル108

ある日の夕方、血しぶきのナースの格好に顔全体に包帯を巻いた女性2人が1
駅のエスカレータに乗っているのを見て、ゾッとしました。あ…今日は10/31でハロウィンか… と、ちょっと安心しました。
ハロウィンの仮装が年々盛大になり、お店の飾りつけや商品にカボチャもチラホラ見えてきます。カボチャつながりの冬至とは、随分異なる扱いです。
様々な、国際色豊かなお祭り・イベントを否定するつもりもないですし、楽しんでも良いとは思いますが、母国や地域の文化・習慣・歴史は知っていたいなと感じます。

2017年の冬至は12/22(金)

冬至は“夜が最も長く、昼が短い日”です。
“太陽が出ている時間が短い=軌道が短い”ので、南中の高さも1年で最も低くなり、太陽の力が一番衰える日と考えられています。そのため“死に近い日”と考えられ、冬至は“厄を祓う日”という意味があります。
昔は、食料の保存や収穫が限られており、食料を確保しづらい冬を乗り越えないと“死”が待っているため、それを乗り越えるために、夏に採れた“カボチャ”を食べて冬を無事に乗り越えようと“厄を落とす日”という意味も込められています。

カボチャを食べて、運気を上げる!

冬至にカボチャを食べる習慣は江戸時代からと言われています。1
(地域による)
カボチャを食べる理由は、“風邪予防”“脳卒中予防”“長生き”“厄除け”等があります。

(ちなみに柚子湯の習慣も江戸時代頃からだそうです。)
“柚子について考える。(https://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/2565/)”もご覧ください。

カボチャと小豆を一緒に炊いた“かぼちゃのいとこ煮”を食べる地域が多いですが、小豆の赤が“邪気を祓う”とされています。
“いとこ煮”と呼ばれるのは、材料を煮えにくい物から“追々(おいおい)”入れる事から、“甥甥=いとこ”をかけているそうです。面白いですね。

ちなみに、日本カボチャは16世紀にカンボジア経由で大分に漂着したポルトガル船が持ち込んだそうです。カンボジアがカボチャになった・南蛮の瓜なので南瓜と書いたと言われています。

現在では、日本カボチャはほとんど見かけませんが、見た目にゴツゴツした物や、溝が入っている物が多く、水分が多く、ねっとりしており、甘味が弱いです。荷崩れしにくいため、煮物料理が定番になりました。
一方で、西洋カボチャは水分が少なく、ホクホクしており、甘味が強いです。昭和40年代から日本で西洋カボチャは一気に広まりました。
西洋カボチャが主流になっているのであれば、煮物に限らず色々なカボチャ料理にしても良さそうですね。1
ハロウィンでカボチャをくりぬくのも良いのですが、カボチャ料理も楽しんでみませんか?(ちなみに、ハロウィン用の南瓜は、日本カボチャでも西洋カボチャでもありません。)

カボチャ料理と言ったら、何品挙げられますか?

カボチャは緑黄色野菜(βカロテンが多い)のため、風邪予防にも期待が持てるため、秋から冬にかけて嬉しい食材です。また、野菜の中でも炭水化物が多いので、持久力が勝負の種目の試合前の食事に私はよく準備します。
よくアスリートやジュニアアスリートの親御様に『カボチャ料理を挙げてみましょう!』と質問します。すると、カボチャの煮物は一番に挙げられます。料理好きな方はスラスラと色々な料理が挙げられるのですが、煮物以外に思いつかないという方もいらっしゃいます。
これを機会に冬至に、色々なカボチャ料理を楽しんでみてはいかがですか?
スープ・シチュー・ポタージュー・味噌汁・グラタン・ほうとう・ニョッキ・ミルク煮・
胡麻和え・サラダ・チーズ焼き・カレー・きんぴら・天ぷら・カボチャ餅・コロッケ
カボチャの蒸しパン・ホットケーキ・プリン・ケーキ・茶巾しぼり・パイ・羊羹

色々ありますよ。

右写真は“子供も大喜び ケースごと食べられちゃうカボチャのシチュー”です。1
カボチャを丸ごと電子レンジでチンし、中をくりぬいてシチューを作り、中に詰めました。
今の時期なら、カボチャは北海道産が良い!という話を以前書いておりますが、その他、美味しいカボチャの選び方についても触れております。“野菜の旬あれこれ(https://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/2326/)”もご参考にしてみてください。

 


◆執筆者:河谷彰子氏

管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ  アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師

日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。

URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm

コメントは受け付けていません。