冬が旬の緑黄色野菜

河谷彰子タイトル123

 

<ポパイのほうれん草に変わる策はないか?>
 先日、友人と小松菜とほうれん草が話題になり、どちらの味が好みか?どちらが使いやすいか?と話題になりました。皆さんは、小松菜とほうれん草のどちらを多く召し上がっていますか?どのように召し上がるのが好きですか?
 どちらも冬が旬の緑黄色野菜であり、似たような葉野菜ですが、味は随分と異なります。そこで2つの野菜を比べてみました。

 

・小松菜のカルシウム・鉄分量はほうれん草を上回る!

 食品成分表で比べてみると、ほうれん草だけ夏採りと冬採りの2種類が記載されています。それだけ夏と冬では、栄養素に大きな違いがあるという事です。特にビタミンCは、冬が夏の3倍も多いです。
 旬の食べ物の特徴の1つとして“栄養価が高い”という事が言われますが、それを象徴するような値ですね。気温が低い環境で育った方が、糖分やビタミンCが増えるそうです。その象徴が真冬に見かける “ちぢみほうれん草”です。肉厚で甘味が強いですよね。
 ほうれん草も小松菜も、鉄分・カルシウムが多い野菜ですが、皆さんのイメージと比較していかがでしょうか?
 小松菜のカルシム量はほうれん草の3倍以上です!骨づくりにとカルシウムを積極的にとりたいという方は、冬の時期は小松菜を!と言えそうです。ちなみに、冬が旬の野菜である大根の葉に含まれているカルシウム量は260mg/100gです。味噌汁の具・ふりかけ等、捨てずに食べておきたい野菜です。
 鉄分も小松菜の方が多いですね。ほうれん草が貧血予防と言われるのは、鉄分以外に鉄分の吸収を助ける葉酸も多く含まれている為です。
 葉酸はほうれん草の方が約2倍多いですね。葉酸は貧血予防に必要な栄養素である以外に、認知症や動脈硬化や骨粗鬆症の原因である高ホモシステイン血症の治療・妊娠期では胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減することにおそらく有効であるとされています。(厚生労働省では特に妊娠を希望している女性に対して、400μg/日を摂取する事を呼び掛けています。
 ほうれん草は食べる前に茹でる事が必要です(サラダほうれん草はゆでなくて良い)。生で食べると、シュウ酸のえぐみを感じます。シュウ酸のとり過ぎは尿路結石の原因になります。一方、小松菜はシュウ酸が少ないため生で食べても問題ありません
 シュウ酸は水に溶ける為、沸騰した湯に塩を入れさっと茹でる程度で良いです。
 最近、朝食には野菜のスムージーを手作りしているという方がいらっしゃいますが、ほうれん草を入れる場合は、茹でて入れましょう。

 

・ほうれん草の方がコクがある。
 ほうれん草と小松菜は、味の種類が異なるというのか、ほうれん草の方がほうれん草を主張し、小松菜は出汁や一緒に加わる食材の味や旨味に染まるように感じます。
 例えば、私の場合、ほうれん草+チーズを挟んだホットサンドが好きです。ほうれん草の代わりに小松菜を使用すると、ちょっと物足りない気がします。
 煮びたしの場合、私は小松菜の方が好みです。(人によると思いますが・・・)
 雑炊に葱を加えたいが葱が無い場合、青みとして何か加えたい場合、茹でたほうれん草と小松菜の両方があった場合、私なら小松菜を使います。それはほうれん草の方が味の主張が強すぎるのに対し、小松菜は他の食材の味を邪魔しないと感じるからです。一方でポタージュスープを作るなら、間違いなくほうれん草を選びます。それはコクがあると感じるからです。
 最近では“コクがある”等の表記がある商品がありますが、コクというのは何でしょう?
 コクは味の総和であり、基本5味(甘味・苦味・塩味・酸味・旨味)のバランスが良いとコクがあると感じられます。人工知能・味覚センサーレオという機械で測る事ができるそうですが、ちなみに、ほうれん草の方が小松菜よりもコクがあると感じる人が多いようです。
           (味博士の研究所よりhttps://aissy.co.jp/ajihakase/blog/archives/14352

 

・まだまだ日本人は野菜不足・・・
ポパイが恋人のオリーブを助けるために、ほうれん草を食べるとパワーアップして悪者のブルートをやっつけるというアニメがありますが、ほうれん草が選ばれた理由の1つに、アメリカの子供達のほうれん草嫌いを何とかしようという策だったそうです。そういえば、私も子供の頃に、母が“ポパイもほうれん草を食べて元気になっているでしょ。”と言われた記憶があります。

 野菜は1日350g以上!と随分前から対策が練られているにも関わらず、まだまだ日本人の野菜不足は続いています。
 平成29年の国民健康・栄養調査結果概要(厚生労働省)を確認すると、残念なほど、ここ10年間の野菜の摂取量に大きな変化はありません。
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000351576.pdf
 また、健康のためには350g中に1/3の緑黄色野菜が目安であり、アスリートは1/2とも言われています。緑黄色野菜は淡色野菜に比べて、ビタミンやミネラルの量が多く含まれているためです。
 ポパイにほうれん草の最新版として、“◯◯に小松菜!”のような謳い文句で子供から大人の野菜不足が解消すればいいのにな…と考えている私です。
 ちなみに、私がサポートしているアスリートには、特にこの時期は、骨対策・貧血対策のためにも小松菜やほうれん草を毎日食べる事を勧めています。


◆執筆者:河谷彰子氏

管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師

日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。

URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm

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