サンマの脂肪分は肉類より多いが・・・(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)

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うろこ雲を見ると“あ~サンマの季節か~”と感じ、サンマが食べたくなります。1
電気コンロしかない寮に住んでいた頃、サンマを焼いていたら部屋や廊下が煙で真っ白になり、滴ってきた脂が発火し、火災報知器がなるのではないかと心配した事があります。脂が乗ったサンマは本当に美味しいですよね。
美味しさの秘密は脂肪分の多さ。今が旬のサンマについて話し致します。

 

サンマの脂肪分は不足しがちな身体に良い脂である。

大衆魚であるサンマですが、1
マグロの脂身つまり“トロ”に匹敵する脂質量である事が分かります。豚もも肉の脂質量は10.7g・和牛もも肉は17.5gです。サンマの脂質量が非常に多い事がお分かりになるでしょう。

しかし、肉の脂質と種類が異なります。(表参照)
サンマには、必須脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(イコサペンタエン酸)を豊富に含み、心筋梗塞や狭心症等の心血管疾患の予防効果が報告されています。
DHAは記憶や学習に効果的であるというイメージがありますが、これは1989年にイギリスの研究者が日本人の子供の知能指数が高い事から、日本人が魚を食べる習慣が関連しているのではないかと指摘したためです。脳や神経にDHAが存在する事は確実ですが、頭が良くなるかは今のところ立証されていません。
EPAは血液サラサラというイメージがありますが、これは1970年代にデンマークで発表された研究がきっかけです。イヌイットの脂肪のエネルギー比率がデンマーク人と同じ位、高いにも関わらず、心筋梗塞で亡くなる率がデンマーク人40%・イヌイット約3%であるという発表が注目された事がきっかけです。
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いずれにせよ、肉に比べて魚の脂質は身体に良さそうだと言えます。
しかし、どんなに良いとされる油・脂も、1g≒9kcal。摂りすぎれば、体脂肪増加につながりますので注意です。

脂肪分を逃さない!サンマの塩焼き

(NHK ガッテン 2015/10/7放送より http://www9.nhk.or.jp/gatten/recipes/20151007/1.html
テレビで、サンマの美味しい焼き方を紹介していました。
魚は火を通し過ぎると、ジューシーさを感じさせている脂肪分やコラーゲンが落ちすぎてパサパサしてしまい、美味しさが半減してしまいます。この焼き方は、私達は普段焼いている時間と比べると随分と短いですが、中まで火が通っています。また、焼き目が少ないため、みりんを塗る事で見た目も美味しく仕上がります。

<材料>1
サンマ1尾・みりん適量・塩少々
<作り方>
1.魚焼きグリルを3分間温める。
2.サンマ全体に10倍希釈したみりんを塗る。
3.サンマに塩を適量ふる。
4.強火で(熱線の真下になるよう端に寄せて)7分間加熱する。(片面焼きグリルの場合は表5分+裏4分)
5.取り出し、皿の上で2分間、余熱で火を通す。

サンマの生姜煮(1人分のエネルギー:539kcal たんぱく質:28.6g 脂質:36.9g 炭水化物:10.8g)

魚が苦手・好きでないという方の理由として、パサパサする・骨を取るのが面倒という意見が多いですが、脂肪分の多いサンマですから、パサパサするという事はありません。(上記の焼き方であれば、なおさら!)
骨の問題を解決するには、骨まで食べる事ができる料理にすれば良いではないか!という事で、ご紹介いたします。

<材料 4人分>1
サンマ 4尾
生姜 1片
水・酒 各100cc
醤油・みりん 各大さじ2
砂糖・酢 各大さじ1
<作り方>
1.サンマの頭とはらわたを取り、流水で洗い、1尾を4等分に切る。1
2.圧力鍋に千切りにした生姜とサンマ以外の全ての材料を入れ、一煮立ちさせる。
3.一度火を止めて、1をなるべく重ならないように入れる。
4.圧力鍋の蓋をしめて、再び火にかけて沸騰したら弱火で20分加圧する。
5.火を止めた後、圧力が抜けるまで自然放置する。
普通の鍋で1時間程煮ると作る事も出来ますが、圧力鍋だとたった20分の加熱で完成です。

海に囲まれている日本にも関わらず、魚離れが進んで、n-3系の脂肪酸が不足している昨今だからこそ、是非今年はサンマの美味しさを味わって欲しいなと思います。近海で捕れた魚を食べる事は、食料自給率アップにも貢献しますよ。

 


◆執筆者:河谷彰子氏

管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ  アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師

日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。

URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm

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