餅色々(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)

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お雑煮には何個お餅を入れましたか?そのお餅は焼きますか?焼きませんか?1
また、丸餅ですか?角餅ですか?伝統食材なだけに、地方性がありますよね。
今回は、お餅について色々とコラムにしてみました。

 

丸餅と角餅 その歴史

最近では関東のスーパーでも丸餅が販売されていますが、餅というと関東出身の私の場合、角餅をイメージします。そのため、購入する餅は勿論、角餅。また餅をついた時は、角餅にして保存しています。
では、何故丸餅と角餅があり、地域性があるのでしょう。
ついた餅を一つずつ丸めて作った丸餅と、ついた餅をのし餅にした後、切り分けて作った角餅という作り方の違いがあります。生産性を考えると角餅の方が高いと言えます。

縄文時代、東南アジアから赤米が伝来し、赤米で作った餅を食べていたとされています。(それ以前は粟餅やキビ餅が基本。)
奈良時代、西日本では既に餅は丸餅が一般的で、円形は心臓を表し、神聖なものとされたため、刃物で切る事を避けていたそうです。
平安時代、鏡餅が作られるようになります。1
(神が宿っていると考えられているため、鏡餅を切るとは言わず開くと言い、包丁で切るのではなく金槌を使用して開きます。)
室町時代、餅入りの雑煮は宴会の最初に食べる縁起の良い料理とされていました。しかし餅入りの雑煮の食文化は水田稲作が盛んであった西日本の食べ物で、東日本では焼畑農業が中心のため餅ではなく里芋や山芋を入れていたようです。

江戸時代、餅を年中行事に一般人の間でも使用するようになり、街道筋で食べると力がつくと言って“力餅”が販売されるようになったそうです。つまり、餅が江戸でもよく食べられるようになったという事です。そして江戸の人口増加が著しかったため、生産性の高い角餅が主流になったようです。

西日本の食文化である丸餅と江戸時代以降によく食べられるようになった東日本の角餅、どちらの餅を基本とするかの境目はハッキリしていませんが、石川県では丸餅に対して富山県は角餅が主流だそうです。また、徳川系列は角餅・豊臣系列は丸餅という説もあるそうです。
ちなみに雑煮の餅は、東日本は焼く地域が多く、西日本は煮る地方が多いようです。

歴史的背景&親(調理担当者)からの食文化の伝承による影響が、今の私の食の基本を築いているんだなと強く感じます。

餅とご飯

もち米を蒸して、ついたら餅・うるち米を炊い1
たらご飯です。米の種類が違うのですが、含まれる栄養素には大きな違いはありませんが、モチモチさの違いはでんぷんの種類に違いがあります。
うるち米に多く含まれているでんぷん:アミロース 硬くパラパラしている。
もち米に多く含まれているでんぷん:アミロペクチン 粘りがありモチモチしている。

餅のエネルギー量がご飯に比べて高いですが、これは水分量が餅の方が少なく、その分たんぱく質・脂質・炭水化物量が多いいためです。市販されている餅の商品によって異なりますが、角餅1個は約55g(129kcal)・丸餅1個は約35g(82kcal)です。

餅2個と同等のごはん量は150g(おにぎり1.5個)です。
餅を食べると胃もたれすると言いますが、それは餅の方がパクっと食べやすいため食べすぎてしまうためで、餅そのものが胃もたれの原因になっているわけではありません

アスリートの中には、普段の補食や試合前食に餅を食べています。餅とご飯の1
消化吸収速度は、ほぼ同じです。アスリートの補食におにぎりがお勧めですが、餅も同様にお勧めです。
私は試合前食に餅入りのうどん・磯部餅を用意する事が多いです。

焼いた餅を豚肉の生姜焼きに巻いて食べても良し・油揚げの中に入れて餅巾着にしても良し・お好み焼きの中に入れても良し・グラタンの中に入れても美味しいです。ご飯と一緒に炊くとおこわ風になります。お餅がありすぎて、もう飽きた~と言う方は、色々な料理で楽しんでみてはいかがでしょうか。

 


◆執筆者:河谷彰子氏

管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ  アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師

日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。

URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm

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