油は油 (執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)
『過ぎたるは猶及ばざるが如し』
健康のために皆さんは、どのような事に気を遣っていますか?
メディアで取り上げられている様々な情報がありますが、情報に翻弄されていませんか?
より健康になる為のちょっとした工夫をこのコラムを通じてお伝えできればと思います。
ごま油・オリーブオイル・グレープシードオイル・ピーナッツオイル・ひまわり油…
色々な身体に良いとされる油がありますが油は油。
油のとり過ぎ=エネルギー量をとり過ぎ⇒太ってしまう
=血液中の脂肪分(コレステロール等)が増加
油1g=9kcal
1日に必要な油の目安量(運動しない大人):大さじ1/日
血液サラサラの油も・・・
コレステロールが高いと相談にみえた、ある方の食事を伺ってみると、テレビで胡麻が健康に良いからと毎食スプーン1杯の胡麻を食べていました。サプリメントのような食べ方ではなく、胡麻和え等の料理で使用する程度にしたところ、1ヶ月で血液データが正常になりましたよ。『過ぎたるは猶及ばざるが如し』ですね。
動物性脂肪 VS 植物性脂肪
バターに代表される動物性の油(飽和脂肪酸)は悪玉コレステロールを増加させ動脈硬化のリスクを高めてしまうため、サラダ油やマーガリンに代表される植物性の油(不飽和脂肪酸)が勧められます。
規制対象?!「トランス脂肪酸」
さらに最近海外では、トランス脂肪酸ゼロ(トランス脂肪酸を含まない油)が注目されています。
トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増加させ、善玉コレステロールが減り心臓病のリスクを高めるとされています。(現在、研究段階のためまだまだ分からない事がありますが・・・。)
トランス脂肪酸ゼロは基本的に植物性の油ですが、マーガリン・ショートニング等の加工された油はトランス脂肪酸が含まれています。そして、これらを原材料として作ったパン・ケーキ・ドーナッツ・揚げ物はトランス脂肪酸が含まれている事になります。
欧米より油をとる量がまだ少ない日本では問題ないとされ、規制はありませんが、国によっては表示の義務があります。
酸化した油は要注意
もう1つ気を付けたいこと、それは油の酸化です。酸化した油はやはり動脈硬化の原因になります。植物性の油は動物性の油に比べ酸化しやすいので、使用量と相談して小さい容器を購入し、なるべく新しい物を使用するのがお勧めです。
皆さんは、どの位の油を1日にとっていますか?
ちなみに、大さじ1の油とは揚げ物が食べられない量なんですよ。
◆執筆者:河谷彰子氏
管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師
日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。