ジュニアアスリートをサポートしている方々へ伝えたい!②チームに体重計はありますか?

 


所属チームには体重計はありますか?
体重は、どの位の頻度でチェックしていますか?
高校生以上の年代であれば、体脂肪もチェックしたいところです。
体重チェックは、コンディショニング管理の1つとして大切ですよ。

・トップアスリートの体重チェック頻度は、想像以上に多い。

アスリートでなくても、毎朝の体重チェックは、体調管理のために大切です。
ハードなトレーニングをしているアスリートにとって、体重は色々な事を教えてくれます。そのた
め1日1回では不足です。午前・午後とトレーニングがある場合は、トップアスリートは、以下の
タイミングで体重をチェックしています。
① 起床後+排尿後+朝食前
② AMのトレーニング(Tr)前
③ AMのTr後
④ PMのTr前
⑤ PMのTr後
⑥ 就寝前

それぞれの体重でチェックしている事は以下の通りです。
①  ベースとなる、体重・体脂肪率の変化を比べる値。前日の朝との体重差は1kg未満であり
たい。
体重変動が大きい場合は、前日の食事量や水分摂取不足が考えられる。

③-② ⑤-④ Tr前後の体重差は2%未満に抑えておきたい。
3%以上から脱水による良く症状が出てきて
しまう。
さらに、2%以上の脱水で持久性パフォーマ
ンスが低下、3%以上で無酸素性パフォーマ
ンス(キック力・瞬発力等)低下が起こる。
運動後の体重減少は、当たり前と思っている方は多いですが、その減少量が多ければ
パフォーマンス低下につながってしまいます。
減少量が大きい場合は、トレーニング中の水分補給量(頻度・1回の補給量)を増や
す必要があります。

②=④ PMのTr前の体重は、AMのTr前の体重まで戻しておきたい。
つまり、昼食量と水分補給量が適量であることが大切。

 ⑥>① その日の内に、エネルギー量や発汗による水分量
を取り戻しておく。
さらに就寝中の発汗により、夜と朝の体重差は
約1~2kg
あります。
発汗量には個人差があるため、朝晩の体重差を
知り、夜の体重を朝より多くしておかないと、
次の日の朝の体重は減少してしまいます。

1日に何回もこのように振り返っていれば、夏場でも体重が少しずつ減少して、熱中症を起こす危険を回避する事ができるでしょう。

・1日1回、身体の内容変化を知る。

体重と体脂肪率計が一緒になった体重計がありますが、体脂肪率は、①起床後+排尿後+朝食前の
タイミングで計った値を比べるだけで良いです。つまり、体脂肪率は1日1回のチェックです。
足の部分に(上半身も測定できる体脂肪率計には、手で握る部分にも)電極である金属部分があり
ますが、身体に微弱な電流を流して体組成を推定しています。電気抵抗値・身長・体重・年齢・性別
から体脂肪率を算出しています。
電気は水分や電解質を多く含む組織(筋肉や血管等)を通りますが、脂肪はほとんど通りません。
また、太さにより電気の通りやすさは異なります(太さがあるほど、電気の抵抗値は低くなる。)

 マメに体脂肪率をチェックしている方の中には、運動後や入浴後の体
脂肪率減少を喜んでいる方がいらっしゃいますが、入浴後の体脂肪率
減少は体脂肪が減った訳ではなく、足裏が濡れているためです。
水分が多いと電気が通りやすくなり、電気抵抗値が下がり、筋肉量が
多くなると算出されるのです。
また朝晩の体脂肪変化は、体水分の移動によるものです。
 起床後は全身に水分が分布していますが、起きてい
る状態が続くと、水分が下半身に集まり体脂肪率が
下がると算出されやすくなります。

体脂肪を落としたい、筋肉量を増やしたいという場
合は、特に体重変化の内訳を確認しておくと良いで
す。
体重に変化が無くても、内容が変化しているかもしれません。

・体重をチェックしている中で、水分・食事量の何が不足しているのかを振り返るようになる。

マメに体重をチェックする意味を伝え、振り返るように伝えると、選手の行動が変わってきます。
・朝晩の体重差に驚く。
・いつもより体重差が大きい場合は、その原因を考えるようになる。
・体重が減少している時、水分なのか補食量を増やすべきなのかをお腹と相談して選ぶように
なる。
体重をチェックする事だけが大切なのではなく、チェックして行動を振り返る。このセットが重要
ポイントですよ。

こちらも併せてご覧ください。
ジュニアアスリートをサポートしている方々へ伝えたい! | 城川ファクトリー (shirokawa.jp)
食事アドバイスは“もっと食べよう!”より…(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)
| 城川ファクトリー (shirokawa.jp)

 

◆執筆者:河谷彰子氏
管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ女子代表栄養アドバイザー・サクラフィフティーン女子代表栄養アドバイザー・ユースアカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師・上智大学非常勤講師
日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。
URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm

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