豆乳は牛乳の代わりにならない (執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)
牛乳は悪者ではない!
豆乳がヘルシーというイメージを持ち過ぎている方が多いのに驚く事があります。
勿論、豆乳は女性ホルモン(エストロゲン)に似たイソフラボンが含まれているなど、身体に良いとされる栄養素もあるのですが、牛乳の代わりに豆乳を飲むのはどうかな?と思います。
私は乳製品のアレルギーでない限り、牛乳やヨーグルトの乳製品は食べた方が良いと考えます。
牛乳を飲むと、お腹がゴロゴロするという方は、乳糖を分解する酵素を持ち合わせていない方です。
そのような方は、ヨーグルトならゴロゴロしないでしょう。もしくは、乳糖を除去した牛乳も販売していますので、そちらを選んだらよいでしょう。
さらに、
日本では搾乳期の乳牛に成長ホルモンや抗生剤も投与する事が出来ません。
安心して牛乳を飲んだら良いと考えます。
カルシウム量が違う!
乳製品から得られる栄養素として期待する代表的なものは、たんぱく質とカルシウム。
牛乳と豆乳を比較してみると(右表参照)、たんぱく質はほぼ同量ですが、カルシウム量が大きく異なる事がお分かりでしょう。
牛乳がヘルシーでないというイメージの1つに脂質がありますが、低脂肪や無脂肪の牛乳であれば、豆乳よりも脂肪分が少ないですね。
体脂肪を気にしている・コレステロールや中性脂肪が高くて…という方は、脂肪分が少ない乳製品を選ぶと良いです。
豆乳の方が多い栄養素に鉄分がありますが、最近では低脂肪の鉄分入りの牛乳も販売されています。貧血を気にされている方は、鉄分入りの低脂肪牛乳を選ぶと良いですね。
脂肪分が少ないと飲みにくいという方は、コーヒーに入れてカフェオレにするなど、何かと混ぜても構いませんし、料理に使用して加熱してもたんぱく質やカルシウムが減る事はありません。
ちなみに、コーヒーに入れるポーション状のコーヒーフレッシュは乳製品ではないので注意です。冷蔵庫に入れなくても保存できるのは、乳製品でない証拠。植物性の油に乳化剤を加えてあるので、ほぼ油と思って間違いないでしょう。(1つ約5gは約10kcalもあります。)
熱中症予防にも牛乳
1日にとるべき、乳製品量の目安は右表のとおりです。
牛乳とプレーンヨーグルトのたんぱく質とカルシウムは、ほぼ同じ。プレーンヨーグルトでも最近では低脂肪や無脂肪の商品がありますので、栄養表示を確認してみると良いでしょう。
最近の研究では、乳製品に含まれているアミノ酸の1つであるアルブミンは、血液中に水分を取り込みやすくするため、熱中症対策にも良いと言われています。乳製品のとり過ぎも問題ですが、右表を参考に、乳製品を食べてみませんか?
必要量の乳製品を食べた上で、豆乳に限らず大豆製品(納豆・豆腐等)を食べるというのが良いのではないでしょうか。
◆執筆者:河谷彰子氏
管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師
日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。