食欲アップの心遣い(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)

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前回は、夏バテをしないための工夫についてトップアスリートを例にお話し1
しましたが、今回は料理のちょっとしたコツについて、やはりトップアスリートの
話を交えながらお伝え致します。
皆さんも自然にやっている事も多いかもしれませんね。

 

 

赤・緑・黄色をそろえる。

こんな経験はありませんか?
“お弁当箱の蓋を開けると、何だかご飯の白+茶色っぽい色しかなくてテンションが上がらない・・・”
これは完全に彩り不足です。

食材には色々な色がありますが、1食の中に以下の3色がそろっていると、美味しそうに見えます。
    :トマト・赤パプリカ・人参・ケチャップ・キムチ・・・1
    :葉野菜・ピーマン・胡瓜・アスパラガス・ブロッコリー・いんげん・
        グリンピース・バジル・・・
    :卵・黄パプリカ・カボチャ・トウモロコシ・筍・・・
便利な冷凍食品にはミックスベジタブル、そして野菜ならパプリカとピーマンを使えば3色がそろっちゃいますね。(しかもパプリカはビタミンC豊富!)
参考:https://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/1056/

ケチャップライス・オムライス・3色丼がお弁当に人気なのは、彩り的にテンションが上がるからなのかもしれません。
お弁当のレシピを紹介している本やホームページがありますが、ごはん+おかず+野菜料理の組み合わせを彩りでチョイスするのも1つですね。

お弁当でなくても同様です。
冷やし中華に乗せる具材に3色(例:ハムやトマト・胡瓜・錦糸卵等)が乗っていたら良いですし、生姜焼き丼にしてみたけど、彩りが足りないなーと思ったら、赤の彩りにキムチ・しば漬け、緑の彩りにほうれん草の胡麻和えを小鉢に添えるというのも良いですね。

丼物に温泉卵が乗っかっていると、喜んでいるアスリートの姿をよく見かけます。1
豚キムチ丼・牛丼・豚丼に温泉卵、そしてロコモコには半熟の目玉焼き。
彩り効果の他に、トロッとジューシーな感じが嬉しいのでしょうかね~。
朝食にご飯+温泉卵で卵かけご飯にして食べているアスリートもいますよ。

 

香辛料で食欲アップ

香辛料の香りや辛みは食欲を増進させる働きがあります。1
例えばカレー粉。カレー粉には様々な香辛料が合わさっています。魚のムニエルであれば、小麦粉にカレー粉を合わせてつけて焼くと、カレー粉の香りが食欲を増す一品になります。
試合後(特にナイター後)の食事では食欲が落ちやすいため、私はカレーライスをアウェーのホテルでの夕食にリクエストする事がよくあります。

その他の食欲増進にお勧めの香辛料には、生姜・ニンニク・七味唐辛子・山椒・キムチ・柚子胡椒等もありますよね。鶏肉をソテーする際に、カレー粉も付けるのも良いですし、塩コショウでソテーしただけの物に柚子胡椒をつけながら食べるのも美味しいですよね。1
ちなみに、きなはい屋で販売されている“ひさこさんの柚子こしょう”は、私のお気に入りです。この柚子胡椒を超える柚子こしょうに出会った事がありません!(https://www.shirokawa.jp/webstore/products/detail.php?product_id=13

私がサポートしているアスリートの多くは何故かキムチが大好きです。1
ご飯やおかずの横に山盛りのキムチを添えて食べている姿をよく目にします。
納豆にキムチ・サラダの上にもキムチ!パスタにまでキムチ!
ご飯やおかず量を、とにかくあの手この手で食べています。
ちなみに、玉ねぎ・葱・ニンニクに多く含むアリシンはビタミンB1(炭水化物をエネルギーに変える潤滑油)の吸収を良くするという役割があります。キムチにはニンニクを使用しているため、香辛料で食欲アップの観点からも良いですが、消費エネルギー量が大きいアスリートにとっても理にかなった食品と言えそうですね。

皆さんのご自宅では、何を採用してみます?
今日もアスリートは食事をトレーニングの一部として、自分のコンディショニングを整える一部として、頑張って、でも美味しく食事をしていますよ~。

 

 

 


◆執筆者:河谷彰子氏

管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ  アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師

日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。

URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm