生姜保存あれこれ(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)
ご自宅にある食料が腐って、廃棄してしまったことはありませんか?
私はあります。食材が腐った姿を見た時の悲しい気持ちったらありません。
日本の食料自給率はカロリーベースで39%(平成25年度)。
廃棄されている食品は事業系の物(売れ残り・食べ残し)の方が多いものの(可食部として300~400万トン)、家庭で廃棄されている物(食べ残し・過剰除去・直接廃棄)は可食部で200~400万トンにもなるそうです。
昨年の秋に、たくさん根ショウガをいただきました。
土が付いた状態なので日持ちするかな~とも思ったのですが、腐ってしまってからでは悲しくなってしまうので、色々な保存を試してみたのでご紹介致します。
皮をむいて、冷凍保存
冷凍保存を実践されている方は多いのではないでしょうか?
保存の前に食べられる部分を無駄にしないポイントが1つあります。
皆さんは生姜の皮をどのようにむいていますか?
生姜の皮は非常に薄いので、包丁を使うと食べられる部分も多くゴミ箱へ…となってしまいます。
そこで便利なのがスプーンです!
スプーンだと、細かい所の皮もむきやすく、何よりロスが格段に少なくなります。
皮をむいて、すりおろした状態で冷凍保存でも良いですし、面倒くさがりの私は、そのまま密閉できる袋に入れて冷凍保存し、使用時に凍ったまますりおろしています。(解凍してからすりおろすと水分ばかり出てきて、繊維質が残ってしまいます。)
砂糖で煮て保存
1.生姜を薄く切る。
2.鍋に1と砂糖を入れて、3時間ほどそのままにしておく。
(私は黒砂糖を使用しました。)
3.水分が出てきたら、水を加えて沸騰したらアクを取る。
4.弱火にしてシロップにとろみがつくまで煮詰める。
(コップに水を入れて、シロップが水に溶けずに底に付く位が目安。)
お好みで最後にレモン汁を入れても良い。
5.ザルでシロップと生姜を分け、別々に保存する。
~シロップ~
・炭酸水で割って、ジンジャーエールに。
・お湯で割って、生姜湯に。水溶き片栗粉を加えてトロミのある生姜湯も良し。
(生姜の風味をプラスしたい場合は、すりおろし生姜を加えると良い。)
・調味料として
生姜焼きやサンマの生姜煮を作る際に、砂糖量を減らしてこのシロップを使用。
大量にある場合は、密閉しない容器の方が、乾燥して日持ちします。
・そのまま食べても良し。
・紅茶を入れる際に、コップの中に入れてから紅茶を入れて、ジンジャーティーに。
おおざっぱな紹介ですが、1年たった今でも悲しい思いをせずに、重宝しています。
一時期、身体を温める食材として生姜が注目されていましたが、身体を温める効果は生より乾燥の方が良いとテレビで見た事があります。とは言え、何だか生姜ブームが終わっているようにも感じますが・・・。食べ物にブームがあるのもおかしい話しです。
生姜は料理の名脇役の1食材として、ちょっと使いたいけど、そんなに要らない…という事が多いのかなと思いご紹介してみました。
◆執筆者:河谷彰子氏
管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師
日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。