お弁当の思い出と、キャラ弁への思い(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)
キャラ弁を紹介した書籍やレシピ情報が溢れていますよね。
さらに、工夫を凝らしたお弁当グッツも販売されています。
それらを見るたびに、お弁当に関する思い出や私の思いが溢れてきます。
お弁当の思い出
小学生の時、週1回お弁当の日がありました。
母の手作り弁当は私のリクエストもあり、海苔弁が多かったのですが、可愛くデコレーションをリクエストしても、リンゴの皮をウサギにしてくれるだけで、タコさんウインナーさえ作ってくれませんでした。
ある日友人のお弁当を見て、衝撃を受けました。
海苔弁だけど、あみだくじになっているお弁当!当たりには梅干しが!!!
同じ海苔弁だからとあみだくじ海苔弁をリクエストしてみても、母は首を
横に振るばかり…
子供ながら、どうしてデコレーションしたお弁当を作ってくれないんだと、少し不満に思ったように記憶しています。大人になった今、母の気持ちが分かるような、あみだ海苔弁位は良いではないかという2つの気持ちが交錯しています。
お弁当の量と配分
十分なエネルギー量や栄養素を確保するために、お弁当の大きさや配分には注意が必要です。
お弁当で一日の1/3量の食事をする場合は、上記のエネルギー量の1/3が必要です。
お弁当の大きさの目安は“エネルギー量(kcal)≒お弁当の内容量(ml)”です。
次に配分です。
ごはん(主食):お弁当の半分
おかず(主菜):ごはんの残りのスペースの1/3
野菜(副菜):ごはんの残りのスペースの2/3
ポイントは、ギュッと詰める事。
ご飯や野菜が少ないなという方はいらっしゃいませんか?
果物は、上記の内容量には含まれていませんよ。
キャラ弁への思い
キャラ弁だろうとなかろうと、私はお弁当としての食事のバランスが気になります。
キャラを優先させるがあまり、ごはん量が多すぎて、野菜が少なすぎたりしていないでしょうか?
完璧にキャラを再現するあまり、もったいない!と手が付けられないお弁当にはなっていないでしょうか?
ハムや練り製品は、お弁当に入れる前に火を通してから入れるというのが、お弁当の衛生面を確保する上で大切です。彩りを優先するがために、そのまま入れてはいないでしょうか?
さらに美味しさを感じづらい食材や味の組み合わせになっていないでしょうか?
色々な事を考えると、ある程度のキャラ弁は良いかなと思うのですが、行き過ぎはちょっと…と考えてしまいます。
高校最後のお弁当を作ってくれた日、母は『これで、最後!ヤッタ~♪』と言っていました。
お弁当作りは本当に大変だと思います。
美味しそうに見えるか?お弁当を空にしてくれるか?等と食べている子供の顔を想像しながら作っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
私が欠かさず見ているテレビの1つに“食彩の王国”という番組があるのですが、
そこで流れている東京ガスのCMには、食育の要素が盛りだくさんで、涙がジワ~っと溢れる事があります。
http://www.youtube.com/watch?v=Xgp3aPR-llM
『お弁当は、一方的なメールみたいな物で…』
『1つ1つのお弁当に、細やかな思い出が詰まっている。』
本当にそうだなと感じます。
愛情弁当とその思い出が、子供達の様々な成長を後押しできるのではないかと感じます。
皆さんはキャラ弁について、どのようにお考えですか?
私は、タコさんウインナーやあみだ海苔弁は作ってあげたいですが、絵心がないのでキャラ弁は難しいかなって思っています。
◆執筆者:河谷彰子氏
管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師
日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。