キヌアってご存知ですか?(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)
キヌアってご存知ですか?最近、日本でもスーパーフードと銘打って、輸入食品を
扱っているお店でよく見かけるようにましたね。
私が初めて耳にしたのは、3年前。日本人のラグビー選手から『キヌアってどうなの?』と質問されたのがきっかけでした。
ラグビー日本代表の合宿でも、毎食キヌアが提供されていたそうです。
サラダの横に茹でたキヌアがあり、かけて食べる選手が多かったそうです。日本人選手の中には、卵かけご飯のようにして、キヌア+卵+醤油で食べている方もいたそうですよ。
以前から気になっていたものの食べた事がなかったのですが、最近、お店でよく目にするようになったので、早速購入してみました。ちなみに150g ¥600で購入する事ができました。
キヌアの栄養成分
キヌアは、5千年ほど前からアンデス地方の主食であり、現在はボリビアやペルー
で生産されています。ヒユ科の植物で主に種子を穀物として利用しています。
栄養価が高いという事でヨーロッパでは随分と注目されているようです。さらに栄養価の高さから宇宙食にも取り入れられているそうです。
含まれている栄養素の特徴として、以下が挙げられます。
・たんぱく質が多く、さらにアミノ酸スコア※が高い。
(キヌア:85 精白米:65 玄米:68 押し麦:62)
※ アミノ酸スコア:アミノ酸スコアが高いほど、良質なたんぱく質と言える。
・カルシウム・鉄分・ビタミンB群・食物繊維が多い。
・小麦に含まれているたんぱく質であるグルテンを含んでいないため、小麦アレルギーの方でも食べる事が出
来る。
・ベジタリアンの方にとっても、良質なたんぱく質補給する事ができる。
俗に『ダイエットに良い』『更年期障害に良い』等と言われているが、ヒトでの有効性は信頼できる十分な情報が見当たらないと国立健康・栄養研究所は発表しています。
(http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail2749.html)
味の特徴は以下の通りです。
・特徴的な味はない。
・プチプチとした食感がある。
白米に混ぜて炊いたり、サラダに・リゾットの具に・カレーライスに・スープに・ハンバーグに混ぜて・ヨーグルトに混ぜて・パンケーキやクッキーに混ぜて等、味に特徴がないため、何に混ぜて食べても味の邪魔をしません。
キヌアの下準備
1.米をとぐ要領で、水を替えながら3回ほど洗う。
(キヌアが細かいため、目の細かいザルやふるいを使用すると便利。)
2.鍋で茹でる方法と炊飯器で炊く方法があります。今回は炊飯器にしました。
キヌア1:水1~2ですが、好みの固さによって加減しましょう。
私はキヌア1(150g 1合強) :水1.5にしました。
柔らか目がお好みの方は水を多めにしたり、玄米モードで炊くと良いでしょう。(私は通常の白米モードにしました。)
火が通った物は、冷蔵庫で2~3日保存可能です。また、冷凍庫でも保存可能なので、ラップに薄く広げて包むなど、小分けにしておくと便利ですよ。
下仁田ネギとチキンのキヌア入りスープ
(材料 2人分)
鶏手羽元:6本
水:600ml
コンソメ(キューブ):2個
下仁田葱:2本
人参:1本
塩・胡椒:少々
火が通ったキヌア:カップ1杯分
ローリエ:1枚
(作り方)
1.葱は白い部分と緑の部分に切り分ける。白い部分はトースターで両面を10分ほど焼き、3cm位に切る。
緑の部分は輪切りに切る。
2.人参は半月切りにする。
3.手羽元に塩コショウをまぶす。
4.鍋で水を沸かし、手羽元とローリエを入れる。湧いてきたら、葱・人参・コンソメを加える。
5.鶏肉に火が通ったら、キヌアを加え、味見をして塩・胡椒で味を調える。
米のように、火を通した後でも溶けていくわけではないので、スープの味に変化はありません。
キヌア入り野菜炒め
(材料 4人分)
ソーセージ:6本
パプリカ:1個
ブロッコリー:1個
ニンニク:1片
火が通ったキヌア:カップ1杯分
ケチャップ:大さじ5
(作り方)
1.ソーセージは薄く輪切りにする。パプリカは、食べやすい大きさに切る。
2.ブロッコリーの軸は小さ目の角切りにし、花蕾部分は小房に切り分ける。
3.鍋でお湯を沸かし、塩を加え、軸の部分を先に入れて1分茹でる。その後、花蕾部分を加えて、1分茹で
る。
4.フライパンにみじん切りにしたニンニク・1のソーセージ・3のブロッコリーの軸部分を入れ、炒める。
5.ソーセージに焦げ目がついたら、パプリカを加え、さらに炒める。
6.パプリカが少し柔らかくなったら、キヌアとケチャップを加えて、炒め合わせる。
7.ブロッコリーの花蕾部分を加えて、全体に味が回るように、さらに炒め合わせる。
野菜たっぷりのケチャップライスという味です。お子さまも喜ぶ味である事、間違いなしです。
簡単に料理が出来、味の邪魔をしない分、いつも作っている料理に加えても良いなと感じました。むしろ、食感を楽しめて私は美味しいと感じました。
まだまだ日本での販売価格では、主食の米の代わりにキヌアを!とはなりませんが、数ある健康食材とされているブームと異なり、継続しても良いのではないかという食材に出会ったという気持ちになりました。
このコラムを作成するにあたり、普段からキヌアを食生活に取り入れているアスリートの方々に、たくさんの情報を教えていただきました。特にペルーでサッカー選手として活躍されている澤 昌克選手には、とてもお世話になりました。本当に色々とありがとうございました。
私の好きな食材の1つにキヌアが加わりました。
輸入食材を取り扱っているお店で、よく見かけますよ。気になった方は、是非お試しください。
◆執筆者:河谷彰子氏
管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師
日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。