塩にも色々ありますが・・・(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)
皆さんのご自宅では、どんな塩を使っていますか?
私は藻塩か粗塩のどちらかを使っています。理由は食塩より、美味しいような気がするからです。
以前、“食塩、あと-2gに出来る事。(https://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/1184/)”というタイトルで減塩についてお話をしていますが、合わせてご覧いただければと思います。
商品の裏を見てみると・・・
商品に色々な記載があります。
原材料とは、生産工場に持ち込まれた原料の最初の状態を記載しています。(海水・海塩・岩塩・湖塩・天日塩または温泉水)
製造方法は原材料の原産地名や塩になるまでの工程が順番に記されています。
“伯方の塩”のように地名を付けた商品は、その地域で生産した塩に使用できます。原材料が他の地域の場合“原材料にメキシコ産を使用”のような記載があります。
伯方の塩のホームページを見ると(http://www.hakatanoshio.co.jp/trivia/qanda.html#q1-3)、昭和48年から平成8年までは伯方島にある工場で作られていましたが、現在は3工場で作られているそうです。そして、その1つにこのコラムの発信元である“株式会社 城川ファクトリー(https://www.shirokawa.jp/about/)”の所在地 である愛媛県西予市に工場があります。
塩の種類
様々な種類の塩が店頭に並
んでいますが、種類によって味や塩辛さが異なります。
一番安価で、どんな料理にも使いやすいのが食塩です。
粗塩は魚の塩焼き・天ぷらや温野菜の付け塩等、直に付けて味わう料理で塩の味の特徴(まるみ)が感じられやすいですが、にがり(塩化マグネシウム)を含む水分を全て蒸発させた物(雪塩等)は、にがり分が多くなるため、癖が出て味が濃く感じます。
岩塩を削って使用すると塩の粒が溶けにくい分、味に甘味を感じます。通常の料理で使用すると溶けづらいため、味が不均一になりやすいという欠点がありますが、ステーキを焼く時の仕上げにパラパラとすると、粒を感じられ美味しくなります。岩塩を細かい粉にした物では、この甘みを感じません。
精製塩はいわゆる食卓塩ですが、食塩に比べて水分を吸着しづらく、サラサラした状態を保ちやすいので、料理をあまり作らない方にお勧めです。
藻塩に代表される味塩は、海藻の旨味成分が感じられます。私は、藻塩で握ったおにぎりは特に美味しいと感じます。
塩を販売している方から、魚は海水・肉は岩塩、つまり海の食材は海からの塩・陸上の食材は陸からの塩と言うが、そんな単純な物ではなく、食材がとれた場所と同じ地域の塩が一番美味しいのだと以前伺った事がありますが、色々調べても正解が分かりませんでした…
岩塩のとれない日本で肉は食べられなくなってしまいますし、そんなに色々な種類の塩をそろえる事は現実的に難しいですよね。
塩に含まれる栄養成分を調べてみました。
基本的に塩はエネルギー・たんぱく質・脂質・炭水化物は0gです。
(旨味成分としてアミノ酸が含まれているとたんぱく質量が0gでなくなり、エネルギー量が0kcalでなくなります。)
減塩したい方はナトリウム量または、食塩相当量が少ない塩を選ぶと良いです。
(Na(mg)×2.54÷1,000=食塩相当量)
ナトリウムは塩味・マグネシウムは苦味・カルシウムは苦味と塩味が合わさった複雑な味・カリウムは酸味がするそうです。食塩相当量が少なくてもミネラルの組み合わせが味を補っているのです。
カリウムは余分な塩分を排出する効果があります。生野菜や海草にはカリウムが多く含まれている為、普段からこれらの食材を食べることがお勧めです。(生野菜や果物を禁止されているカリウム制限のある腎臓病の方は、注意が必要です。)
減塩の塩以外にもカリウムが多い物がありますね。また、精製塩はカリウム・カルシウム等のミネラルが精製されていますね。
マグネシウムは血圧低下や骨作りに貢献しますが、塩からミネラルを積極的にとると考えなくても良いと私は感じるので、美味しいと感じる自分好みの塩を選べば良いかなとも感じます。
私の場合は、料理で塩を使う量が多くないので、値段は高めですが美味しいと感じている藻塩や粗塩を使っていますが、皆さんはどのように感じますか?
◆執筆者:河谷彰子氏
管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師
日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。