グルテンフリーってどうなの?(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)

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最近、グルテンフリーという言葉をよく耳にします。お店のうたい文句に・身体に良1
いというキーワードに…。又、アスリートからも“グルテンフリーってどうなの?”と質問された事もあります。某有名サッカー選手がグルテンフリーの食事に変えたところ、パフォーマンスが上がったというのです。そこで、調べてみました。

 

グルテンとは、グリアジン+グルテニン+水で出来たもの。

グルテンとは、小麦・大麦・ライ麦等の穀物に含まれているグリアジンとグルテニンが水と一緒になってできるたんぱく質の1種で、パンや麺類の弾力や粘りを作っています。強力粉と水を混ぜて、捏ねた物を流水下で捏ね続けると、でんぷんは流れ出し、残った物がお麩であり、グルテンの塊です。

・グルテンを含む食材
 パン/ベーグル/パスタ/うどん/ラーメン/焼きそば/お麩/マカロニ/小麦粉/全粒粉/パン粉/ピザ/天ぷら/揚げ物の衣/餃子・シュウマイの皮/肉まん/洋菓子/カレーやシチューのルー/ビール/発泡酒(チューハイ等)…
・グルテンを含まない食材
 米/餅/ビーフン/そば/雑穀/米粉/大豆粉/玄米粉/そば粉/片栗粉/葛粉/コーンスターチ/肉/魚/卵/野菜/果物/豆腐/乳製品/和菓子/チョコレート/お茶/コーヒー/紅茶/牛乳/豆乳/日本酒/焼酎/ワイン/シャン

グルテンフリーの考え方

セリアック病(シリアック病)というグルテンに対する免疫反応が引き金になり起こる自己免疫疾患の場合、グルテンを除いた食事、つまりグルテンフリーの食事が必要になります。

グルテンフリーダイエットの考え方は、グリアジンは食欲増進作用があるため、1
グルテンを避けると無理なくダイエットできるという考え方です。又、グルテンに含まれているアミロペクチンAが血糖値を急激に上げる作用があり、急に血糖値が上がるとインスリンが分泌され、脂肪として貯蔵しようとします。(ゆっくり血糖値が上がると、そうならない。)
それ以外に、グルテンフリーダイエットをすると美肌効果や肌の老化促進を防ぐそうです。

ご飯とパンのたんぱく質を比較すると、パンの方がたんぱく質の量は多いが・・・。

以前にも触れた事がありますが1
1
https://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/308/)、小麦のたんぱく質の量は米よりも多いですが、アミノ酸スコアは、米の方が高いです(アミノ酸スコア 小麦粉:37・精白米:61)。
また、米は大豆製品と一緒に食べると、アミノ酸スコアは100になります。

米+水でご飯になりますが、パンを作る際には、油+塩+砂糖+酵母を使います(フランスパン・ベーグルは油不使用)。
さらに菓子パン類は、油や砂糖を多く使用するので脂質や炭水化物量が増えます。
麺類はご飯とあまり変わらない脂質量ですが、パスタは特にソースの種類によっては、脂質量が増えます。

米の方が腹持ちが良い。

ダイエットをしたいと考えた場合、腹持ちが良い主食を食べた方が空腹を1
感じるまでの時間が長くなり、1日の食事量を抑える事ができます。
GI値(グリセミック・インデックス)とは、食後の血糖値が上がる反応の大小を示す指数です。
GI値が高いとは、炭水化物の吸収が早く、素早いエネルギー補給に適しています。そのため、運動をする方であれば、運動前のエネルギー補給には、GI値が高い物を選ぶと良いという事です。(例:フランスパン+はちみつ・焼餅)
GI値が低いという事は、炭水化物の吸収がゆっくりのため、腹持ちが良いという事になります。つまり、パンよりご飯の方が腹持ちが良く、なかでも玄米の方が腹持ちが良くダイエット向きという事です。

グルテンフリーに対する私の考え

主食の基本はご飯を!と思っている私にとって、本来のグルテンフリーの考え方1
とは異なりますが、小麦製品を食べない事は問題ないと考えています。
パスタのソースやピザの具材にはオリーブオイル・クリーム系のソース・チーズ・サラミ等、脂質が多く含まれた食材を使用する事も多いため、体脂肪を気にしたい方にとっては小麦製品を控える事は脂質を控えやすい事にもつながると考えます。
一方で、暑い時期は食欲が落ちやすく、冷たい麺類なら食べられるという場合もあるでしょう。小麦製品は良くないんじゃないか?等と考えず、夏バテしないように食べたら良いじゃないかと感じていますが、いかがでしょうか?

 


◆執筆者:河谷彰子氏

管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ  アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師

日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。

URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm