牛乳・乳飲料・加工乳

河谷彰子タイトル123

 
 カルシウムやたんぱく質の補給源として牛乳やヨーグルトは非常に便利な食材なため、アレルギーでなければ毎日とっておきたい食材です。
 乳製品について、よくある質問についてまとめてみました。

 

・日本人は体質的に乳製品が合わない?
 乳製品を日本人はとらない方が良いとされる色々な噂がありますが、私はそのそれぞれの噂に反論があります。
 その1つが上記の噂です。“牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするが、ヨーグルトであれば問題ない。”という方の中には、乳糖不耐症である事が考えられます。乳糖を分解する酵素“ラクターゼ”がお腹の中に無い(少ない)と起こるとされています。日本人は欧米人に比べて、この乳糖不耐症の割合が多いとされていますが、今まで牛乳を飲んでも問題ない方は、このような噂を気にせず適量を飲んだら良いと考えます。
 乳糖が小腸で分解されない場合でも、大腸に存在する乳酸菌やビフィズス菌等の有用腸内細菌が多い方の場合では、乳糖が分解され症状が出にくいそうですよ。

(j-milk メディアミルクセミナーニュースレター平成26年6月10日開催より
http://www.j-milk.jp/tool/hodo/berohe000000j1hq-att/berohe000000j1kk.pdfより)

乳酸菌やビフィズス菌等の善玉菌の腸内細菌を増やすのには、野菜の食物繊維が貢献していましたよね。
            (“腸から元気”https://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/812/より)
併せて以下の事も記載されていました。
   (https://www.j-milk.jp/kiso/uwasa/uwasa16/hn0mvm0000000omi-att/uwasa_Part16.pdfより)

・牛乳・加工乳・乳飲料の違いは何?
 乳脂肪を気にする場合は、“低脂肪や無脂肪のものを!”と勧めます。そこで、“種別に加工乳や乳飲料があるが、牛乳と同じようにたんぱく質やカルシウムはとれるのか?”という質問をよく頂きます。
 低脂肪の商品には、種別が低脂肪牛乳と加工乳である低脂肪乳の2種類があります。
 脂肪分を取り除いただけの低脂肪牛乳に対して、低脂肪牛乳に脱脂粉乳などを加えた低脂肪乳があります。
 低脂肪の商品は、普通の牛乳に水を加えたため味が薄いと思っていらっしゃる方がいますが、そうではありません。味の濃さは、ほぼ脂肪分によるものです。水を加えただけではない証拠として、以下の栄養成分をご覧ください。

 水を加えただけであれば、たんぱく質やカルシウムも少なくなるはずです。
 加工乳の低脂肪乳のたんぱく質が若干多い理由として考えられるのは、脱脂粉乳等を加えた物の量が加わったためです。また、たんぱく質が多いから加工乳の低脂肪乳が特別良いと考えなくて良いでしょう。
 エネルギー量の違いは、脂質量によるものと考えると良いので、脂質を押さえたい方は、低脂肪や無脂肪の商品を選ぶと良いでしょう。
 ちなみに成分無調整牛乳は、乳牛が育った場所や季節によって、含まれる栄養素に多少の変動があるため、味も多少異なります。

・ヨーグルトを作っているけれど、低脂肪だとうまく固まらない…
 ご自宅で手作りヨーグルトを作る方は、加工乳である低脂肪乳でヨーグルトを作ると、上手く固まらないという事はご存知でしょう。
 我が家でもカスピ海ヨーグルトを育てているのですが、購入したカスピ海ヨーグルトの種菌の説明書きには以下のように記載がありました。 そのため、私は種別が低脂肪牛乳又は無脂肪牛乳の商品で育てています。
 加工乳や乳飲料の低脂肪乳では、イメージ通りに固まりませんが、低脂肪牛乳や無脂肪牛乳では上手に出来ますよ。

 どうして、あんなに牛乳・乳製品を悪者扱いするのだろう?と不思議に感じています。
 ご自宅の冷蔵庫には牛乳かヨーグルトは常備していますか?
 左表は、年齢・身体活動レベル別の1日あたりにとっておきたい乳製品の目安量です。不足しているかもという方は、是非食べる量を増やしてみてはいかがでしょうか?

 

 

 



◆執筆者:河谷彰子氏