アブラナ科と野菜

河谷彰子タイトル123

 スーパーで購入した大根を水に浸し、新しい葉が出たら、それを汁物の彩りに使っていました。
しばらくすると、花芽がグーンと伸びてきて花が咲きました。
大根の花ってこんなに可愛いんだ~とカメラ片手に観察。
そして、大根の葉は、菜の花と似ているな…なんて感じていました。
そう、同じアブラナ科の植物です。
アブラナ科の野菜が気になり過ぎて、最近、スティックセニョールとロマネスコを育てています。
そして調べてみました。

菜の花の起源は、地中海沿岸で自生していた雑草。

 アブラナ科の野菜には、ケール・キャベツ・芽キャベツ・ブロッコリー・カリフラワー・ロマネスコ・白菜・コールラビ・水菜・小松菜・からし菜・ルッコラ・ワサビ・西洋わさび・大根・カブ・チンゲン菜・ターサイ・菜の花・高菜・クレソン等があります。
(右の写真は、上からケール・コールラビ・ワサビです。)
アブラナ科の種類の多さに驚きます。そして、大きな変化に更に驚きます。
アブラナ科の野菜の起源は地中海沿岸で自生していた雑草で、4500年前に数種のアブラナ科の雑草が交雑して色々と変化していったそうです。
  ケール:葉が大きくなった。      キャベツ:葉が結球。
  ブロッコリー:花がつく茎先が肥大化。 大根:白く張った根が太く変化。

地中海沿岸の土壌は塩分を多く含み、夏は高温で降雨量が少なく、植物にとって過酷な環境ですが、アブラナ科は強い生命力があったため生き延びたそうです。その理由が他家受粉(虫等により別の個体又は別の株の花の花粉が受粉すること。)により、できる種が色々な種類に変化し、雑種になるほど強い生命力を持つように変異していったそうです。また、環境によって、植物が適応して変異が起こり、それは特に葉に起こるそうです。
変異していきながら、農耕文化の発達と共に世界へ広まり、野菜として人に育てられるようになったのです。

野菜は植物の中の1%未満!

野菜は全ての植物(約20~30万種)の中の1%未満だそうです。
食べられる物を探すのは、さぞ大変だっただろうな…と想像します。
野菜のルーツは8つ(中国・インド~東南アジア・中央アジア・近東・地中海・アフリカ・中央アメリカ・南米のアンデス山脈)だそうです。また、植物の多くはアブラナ科・ウリ科・キク科・セリ科・ナス科・マメ科・ユリ科のどれかに該当します。
ヒトが野菜を食べるようになった理由は、生き抜くため。
美味しい食べ物は動物により食べられてしまうため、残された食べ物をヒトは食べるしかなかったのです。
アブラナ科の種子は油が多く、葉は辛みがあるため、動物にとっては食べづらい植物です。それをヒトは料理の技術を持っていることから、美味しく食べる術を編み出したのです。

アブラナ科の野菜の栄養

表では、β-カロテンが多い順に並べました。
(緑黄色野菜:原則として可食部100g当たり、カロテン含量が600μg以上の野菜)
1日に食べておきたい野菜350g以上の内、1/3が緑黄色野菜だと良いとされています。
アブラナ科の野菜には緑黄色野菜が多いですね。

また、100g中のカルシウムが200mg・100mgを越える野菜に色付けしました。
ブロッコリーが良い!ブロッコリースプラウトはもっとすごい!!と信じて⇒毎日食べているアスリートもいらっしゃいますが…特にそういう事はなさそうです。https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail2146lite.html
ちなみに我が家では、水菜が野菜室に入っています。生でも、鍋料理にパパっと入れても良い、緑黄色野菜であり、カルシウムが多い便利野菜です。

収穫が待ち遠しい我が家のグリーンズ!

気が向くと色々と植えて楽しみます。
これまで栽培したのは、ミニトマト・葉葱・はつか大根・イチゴ・バジル・パクチー・ローズマリー…。
色々な植物を育て、それを食べられるというのは楽しいし、改めて食材を大切に扱い、そして食べきろうと感じます。
スーパーで買ったカボチャの種を洗って植えて、花まで咲かせたこともあります。
そんな観察をするのが好きです。

中でも感動したのは、ロマネストです。9月に苗を植え、収穫できるのが2月末(の予定)。収穫までに約5か月かかります。(ベランダで、日照時間が短いため、通常より長くかかっています。)
(写真上:昨年9月に苗を植えた時。右がスティックセニョール・左がロマネスコ。
写真下:2015年に収穫したロマネスコ。)
どちらもアブラナ科なので、苗の状態では、全く見分けがつきません。
雑草だった菜花から、どのようなかけ合わせで、ここまで来たのか気になるばかりです。
現在、スティックセニョールは少しずつ収穫できていますが、ロマネスコは、まだ葉が増殖中です。収穫できる日がとっても待ち遠しいです。
ちなみに、私はロマネスコを〝ラホツ君〟と呼んで毎日観察しています。

 

◆執筆者:河谷彰子氏
管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ女子代表栄養アドバイザー・サクラフィフティーン女子代表栄養アドバイザー・アカデミー(男女)栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師・上智大学非常勤講師
日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。
URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm

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