浦島太郎の話の続き

 

プロテインダイエットってどうなのですか?と聞かれることがあります。
体脂肪を落とすのに、たんぱく質?
体脂肪が多い理由は何なのか?を見極める必要があるのでは?
筋肉をつけるために、たんぱく質は必要不可欠ですが、たんぱく質をとる事がその方にとって大切な事なのか?
色々な観点から、その方の生活習慣・食習慣を伺ってアドバイスします。

高齢者の場合、歯の状態によって食べられない(食べたくない)、動いていないので食欲が出ない等の理由から、食事量が少なく、たんぱく質不足の事も多いですが、高齢者でない場合、食事量よりも活動量が十分かを見極める必要があります。
筋肉づくりのスタートは筋肉への刺激が大切です。刺激無くして、材料であるたんぱく質が体内に入っても思うように筋肉がつきません。
整形外科的な疾患があり、思うように動けない場合は、負担のない方法で身体を動かす必要があります。
コロナ禍で働き方が大きく変化し、通勤等での活動量が減ったのであれば、通勤に相当する活動量を確保する必要があるでしょう。

・高齢者には余力の筋肉量が大切

30歳の浦島太郎が1か月竜宮所に滞在したら…陸に戻ってきた時の筋量は60歳レベルという話を以下のコラムでご紹介したことがあります浦島太郎は、竜宮城にどの位滞在したのか? | 城川ファクトリー (shirokawa.jp) が、
最近、このお話をされた福永哲夫先生の講演が関東学院大学にて開催されたため伺ってまいりました。
右の写真が講演会のパンフレットなのですが〝老後に備えて貯筋と貯筋〟という副タイトルも気になりますよね。

※福永哲夫先生(昭和16年11月8日生まれ)
東京大学名誉教授、早稲田大学名誉教授、鹿屋体育大学名誉教授、順天堂大学客員教授
一般社団法人日本体育・スポーツ・健康学会名誉会員、一般社団法人日本体力医学会名誉会員

下記は、河谷メモです。そして青字は河谷の独り言です。
〝お金は誰かに借りる事ができるけれど、筋肉は借りる事が出来ない。〟
〝50歳を過ぎると、1年に1%の筋肉が萎縮・寝たきりの状態だと、2日で1%の筋肉が落ちてしまう。〟
20歳代の筋肉量 大腿四頭筋:1升瓶(1,800㏄)・前腕:ペットボトル(500㏄弱)・上腕:小さめのペットボトル(350㏄)
50~60歳にかけて10%筋肉量が減少。大腿四頭筋が180㏄相当落ちるという事。
〝腕の筋肉量は歳をとってもあまり変わらないが、腹筋・大腿四頭筋(大腿部の前面)は大きく減少する〟
座位であっても腕は日常生活で使う事が多いからだろう。
座位が増え、歩く量が減ると、腹筋・大腿四頭筋が落ちるのだろう。
加齢の影響もあるけれど、歳と共に日常生活での活動量の変化が筋肉量の減少につながっていると
言えるだろう。

腹筋・大腿部前面は立ったり座ったりする時に使う筋肉で落としたくない部位である。〟
20歳を100%とすると、60~70歳で大腿四頭筋80%・腹筋70%に…。

〝高齢者の場合、風邪等で寝込んだら、その期間に筋肉量が大きく落ちてしまう。それを取り戻すのが大変。だから貯筋の必要がある!ギリギリの筋肉量では心配。〟
体重当たりの筋肉量が10gを切ると、寝たきりラインに。運動習慣があると体重当たり、20gの筋肉量がある。
高齢者の場合、脚でないケガでも動かない時期がしばらくあると体力が落ちて外出したくないという方を目にするな~。

〝宇宙飛行士が2週間の宇宙フライトで15%の筋肉量が減少。
帰還後、筋肉量が戻るのに3か月かかった。〟
70%強度の筋トレを15分実施するだけで、宇宙にいても筋肉が落ちなかった
      15分だけ頑張るだけで違うってすごくない!

健康・体力づくり事業財団のホームページは、座位・立位での運動を紹介
しています。
https://www.health-net.or.jp/tyousa/tyokin/douga.html

〝筋肉は脳からの信号があって筋力になる。脳⇔神経⇔筋肉の連携が大切。〟
ただ歩くのではなく、10歩で良いから意識して大股歩きをしてみるのも1つ。
85歳であっても筋肉はつく。できなかった腹筋運動ができるようになる幸福度もアップする。〟
〝体重/ウエスト比が高いほど、徐脂肪体重が多い。(筋肉量が多い。)毎日、体重とウエストをチェックして、計算すると筋肉量の増減が分かる。〟

福永先生は、毎朝マンションの非常階段を使って、18階分を40分かけて下り上りし、3フロワー毎にストレッチや腕立てをされているそうです。
さらに、テレビを見ている時はCM中にダンベル(それもかなりな重量20kg!)を使った筋トレや腹筋運動を実施し、毎朝のお仏壇へのお参りでは、中腰のスクワットで実施していると写真を見せてくださいました。

先生の趣味の1つであるスキーをご一緒した際には、毎シーズン軽快なショートターンを披露してくださいます。あの筋力は日々の貯筋運動の賜物だなと驚き、見習わなくては!と身の引き締まる思いです。

皆さんは、日々、浦島太郎状態にならないように筋肉にどのような刺激を与えていますか?

 

◆執筆者:河谷彰子氏
管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ女子代表栄養アドバイザー・サクラフィフティーン女子代表栄養アドバイザー・ユースアカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師・上智大学非常勤講師
日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。
URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です