炭酸ジュースを禁止するなら100%ジュースも禁止では?(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)
ジュースも歯や骨をもろくする?!
“炭酸ジュースは歯や骨が溶けるからダメ!”なんて言われた事はありませんか?
炭酸ジュースの中に、歯を入れたら溶けるという実験がありますが、確かに4時間ほど炭酸ジュースの中に歯を漬けておけば溶けてしまいます。ただ、炭酸ジュースを飲んだからと言って歯や骨が溶けるわけではありません。
ただし!砂糖(糖分)のとり過ぎは体内(歯や骨)からカルシウムを多く体外に排出してしまいます。
つまり炭酸ジュースのみならず、ジュースの飲み過ぎは、骨や歯をもろくする可能性があると言えるのです。
炭酸ジュース VS 100%果汁ジュース そして、スポーツドリンク
商品の裏にある、栄養表示を確認してみましょう。
清涼飲料水に含まれている炭水化物は砂糖に値します。
一般成人が必要な砂糖量は10g/日です。
炭酸飲料も100%果汁ジュースも約5日分の砂糖量が
500mlに含まれている事になり、砂糖のとり過ぎになる事がわかりますね。
100%果汁ジュースには砂糖が含まれていませんが、1日に必要な果物量は約200gです。
オレンジ約1個 or キウイフルーツ約2個 orみかん約3個が1日分の果物量です。オレンジ1個から絞り出される果汁量は約90ml。グビグビッと飲んでしまうよりも、生の果物から食べた方が糖分のとり過ぎにもならず良さそうですね。
暑い時期に水分補給は大切ですが、水分補給のつもりが、糖分補給になっていませんか?
たくさんの清涼飲料水を飲むと、エネルギー量のとり過ぎになりお腹がいっぱいになり食欲が落ちて食事量が減ってしまう事になりかねません。すると必要な栄養素をとることができずに、夏バテになる等の体調不良の原因になってしまいますよ。
清涼飲料水の糖分はイライラ・キレやすいにつながりやすい
砂糖もご飯(米)も炭水化物に分類されますが、
砂糖は腹持ちが悪い炭水化物、ご飯は腹持ちが良い炭水化物です。
お腹が空いた時(=血糖値が下がった状態)、砂糖でエネルギー補給をすると、すぐに血糖値が上がりますが血糖値が下がるのも早いです。この血糖値の急激な上がり下がりが“情緒不安定”“倦怠感”“集中力低下”“キレやすい”“無気力”につながるとも言われています。
水分量の多い季節だからこそ、ジュースは飲んでもコップ1杯までと決めておいた方が良いのでは?って思うんですよね。
◆執筆者:河谷彰子氏
管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師
日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。