人工甘味料のカラクリ(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)

河谷彰子タイトル

様々な人工甘味料を使用した飲料が販売されていますが 1
“カロリーゼロの商品は本当にゼロですか?”とよく質問されます。
通常の清涼飲料水と比較すると低カロリーであるのは間違いないのですが、だからと言って安心しても良いのかな?と思うところもあります。

 

ゼロ表示のカラクリ

ゼロ等の表示には決まりがあります。2

飲料であれば、100ml当たり5kcal未満であれば、ゼロ・無・ノン等の表示が可能ですので、
通常の清涼飲料水と比較すると明らかに低カロリーと言えます。

 

 

 

人工甘味料のカラクリ

砂糖不使用とあるのに甘みを感じる商品には、表にある人工甘味料をよく使用しています。3
甘味の特徴がそれぞれ異なるため、組み合わせて使用する事がありますが、いずれにしても砂糖と比較して、相当な甘味があると言えます。
砂糖よりも少量で同等の甘味を付ける事が出来るので、低カロリーもしくはゼロカロリーにする事が出来ると言うのがカラクリです。

アメリカでの最近の見解

アメリカのテレビ番組を見ていたら、人工甘味料に否定的な4
意見をドクターが言っていました。
気になって調べてみると、2013年7月11日のCNNニュースにこんな記事が載っていました(http://www.cnn.co.jp/fringe/35034553.htmlから引用)。
・ダイエットソーダばかり飲んでいる人が本物の糖分を摂取すると、血糖値や血圧を調整するホルモンが分泌されなくなる。
・人工甘味料はさらに、空腹感を感じさせ、甘いものが食べたくなる衝動も起こさせるといい、普通のソーダよりもダイエットソーダを飲んだ方が太りやすい傾向がある。
・たとえ太らなかったとしても、糖尿病や心疾患、脳卒中を発症する危険は大幅に高まる。

日本より清涼飲料水の消費量が多いアメリカならではの問題ではあるかもしれませんが、日本もコンビニや自動販売機等、どこでも清涼飲料水が購入できる環境ではあるので、他人事では無いと感じます。
ちなみに、ニューヨークでは2013年3月から映画館やレストラン・コンビニでのスーパーサイズ(473ml以上)の加糖飲料の販売を禁止しているそうですよ。
カロリーゼロの商品だから大丈夫と考えるのも1つですが、カロリーゼロの商品であろうと、なかろうと、飲んでも清涼飲料水はコップ1杯(200cc)までとしておくのが賢明かなとも思います。
前回のコラムも合わせてご覧ください。)

 


◆執筆者:河谷彰子氏

管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ  アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師

日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。

URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm