減塩に役立つ乳和食(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)
先日“乳和食”という料理を知りました。
乳和食とは、これまでのミルク料理とは全く概念を違えた美味しく減塩できる和食料理です。
この料理方法を知るまでは『牛乳料理~?あまり良いイメージが無いな~。』牛乳で炊いたご飯“タケちゃんマンライス”を初めて耳にした時は(年齢がばれますが…)、子供ながら『なんて気持ち悪い料理だ…お母さん、作らないでよ…』なんて感じた事があった位です。
しかし、この乳和食!これまでのミルク料理のイメージを一新する美味しい料理だったのです!
以前にあと-2gの減塩をしなければいけない現状であるというお話をしましたが(https://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/1184/)、是非減塩方法の1つとして知って頂きたいと思い、ご紹介する事にしました。
レシピ等については、乳和食を推進されている小山浩子先生(http://koyama165.com/)がご紹介されている物を抜粋しております。
魚の臭みも消え、牛乳が驚きの変化を!『さばのミルク味噌煮』
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材料(4人分)
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1. 鍋にさばを入れて、酒をふりかける。 牛乳を入れ、味噌・砂糖を加えてよく溶かす。 種を取った唐辛子を半分に切り鍋の中に入れる。 |
2. 最初は強火にかけ、ふつふつとしてきたらクッキングシートで落とし蓋をして中火よりやや弱火で10分煮る。(蓋はしない) |
3. 火を止め、そのまま冷ます。 |
<ポイント>
・味噌は通常使用する量の半量でも、牛乳のコクと旨味が助っ人となって美味しく仕上がります。
・牛乳の甘みで砂糖も少量でOK.。
・水分を蒸発させたいため、落とし蓋はアルミ箔ではなくクッキングシートを使用する。
・初めは強火にする事で牛乳を分離させる。
クッキングシートについたモロモロ(牛乳が分離した物)も美味しいため、残さずいただくとGOOD!
小山先生は他にも、カボチャ・高野豆腐等、様々な煮物料理をご紹介されています。
私は普通の方法で作ったよりもこちらの方が好きだと感じました。
乳清を使って、減塩料理『白菜の浅漬け』
まずは牛乳を乳清(ホエー)+カッテージチーズに分けます。
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材料(4人分)
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1. ホーロー鍋に牛乳を入れ、火にかける。 |
2. 鍋肌がプツプツと泡が出てきたら(80~90℃)、弱火にして米酢を木べえらに当てながら全体に回し入れかき混ぜ火を止める。(すぐ分離する。) |
3. 紙のコーヒーフィルターで乳清とカッテージチーズを分ける。(たくさん作る場合は、ザルに厚手のクッキングペーパーを敷いて分けるとよい。) |
<ポイント>
・穀物酢で作ると、酢酸独特の臭いが出てくるので米酢がお勧め。
・200mlの牛乳からカッテージチーズ約40g+乳清約150mlが出来ます。
・牛乳の温度が低い時に酢を加えると、ベタッとしたカッテージチーズと白く濁って乳臭い乳清が出来てしまう
ので、フツフツとしてから加えるのが大切!
・乳清は製氷皿に入れて冷凍保存可能。(1週間が保存の目安。)
さていよいよ浅漬けです。
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材料(4人分)
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1. 白菜を手でちぎって、ビニール袋に入れる。 |
2. 水気が出たらビニールのまま、さっと水洗いをして水気をしっかり絞る。 |
3. 刻み昆布を加え、乳清+ポン酢醤油を加えて少しもみ、1時間以上漬け込む。 |
・乳清とポン酢醤油を6:1の割合で混ぜると、酸味と旨味のある減塩調味料になります。瓶に入れて、冷蔵庫で2~3日保存可能です。
おひたし・焼き魚・冷奴等にかけても美味しいですし、砂糖を加えて酢の物に、炒め物の調味料としても良いですよ。
カッテージチーズは、がんもどきにしたりと活用方法が小山先生の著書にあります
ので、どうぞご覧ください。
なぜ美味しく減塩になるのか?この科学的な根拠は、これから解明していくとの事でしたが、私が試した限り、とっても美味しいまさに乳和食はNEW和食でした。
これまでのミルク料理のイメージを一度忘れて、是非お試しください。
◆執筆者:河谷彰子氏
管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師
日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。