トランス脂肪酸ってどうなの?(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)

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最近、注目されているトランス脂肪酸ですが、皆さんはどのように気を付けていますか?1
まず油脂類のとり過ぎでないかを気をつけて、その次に油脂の種類を気にしたら良いのではと私は考えています。
以前、油について“油は油”(https://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/4/)というタイトルでコラムを書いております。こちらもご参考にしてください。

トランス脂肪酸ってどうなの?

トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増加させ、善玉コレステロールが減り冠動脈疾患のリスクを高めるとされています。

トランス脂肪酸ゼロは基本的に植物性の油に多く含まれています。1
しかしトランス脂肪酸が特に多い食品は植物性の油であるショートニング・マーガリン(油脂80%以上)・ファットスプレッド(油脂80%未満)です。そして、これらを原材料として作っているパン・ケーキ・ドーナッツ・揚げ物はトランス脂肪酸が含まれている事になります。
さらに牛乳等の乳製品など、反すう動物(牛・羊)の肉や精製植物油等に含まれています。

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2011年3月9日農林水産省発表資料より抜粋
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_kihon/content.html

国際的にはトランス脂肪酸は、総エネルギー摂取量の1%未満にするよう勧めています。
1,900kcal/日だと、トランス脂肪酸 約2g未満/日という事です。
(1,900kcal/日×0.01=19kcal/日 脂肪は9kcal/gなので、19kcal÷9≒2.1g/日)
諸外国に比べて、日本人の脂質摂取量は多くないため、あまり気にする必要は無いと考えられているため、今の所日本ではトランス脂肪酸についての規制はありません。

一般的に脂質のエネルギー比率は20~30%とされています。
(平成25年の国民健康栄養調査では、脂質のエネルギー比率平均は25.9%という結果です。)
脂質のとり過ぎも心疾患やメタボリックシンドロームの発症リスクを高めてしまいます。
そのため、身体に良い油も“油は油”と考えたら良いのです。

 

パンにバター・マーガリンを付ける習慣は止めておこうかな。

とは言え、やはりトランス脂肪酸が気になるという方は、以下の点について気を付け1
てみてはいかがでしょうか?
食パンをどのようにして召し上がりますか?
朝はパン派でバターやマーガリンを付けるという方は、毎朝の事なので食パンの食べ方を見直してみてはいかがでしょうか?

動物性の油(飽和脂肪酸)であるバターは、悪玉コレステロールを増加させ動脈硬化のリスクを高めるため嫌煙されるようになりました。そのためバターより植物性油脂(不飽和脂肪酸)を原料としたマーガリンやファットスプレッドを使用する方が増えました。(値段もバターより安価ですしね。)

パンにハムやチーズを乗せる事で、バターやマーガリンを付けなくても、美味しく食べる事ができますし、トランス脂肪酸の摂取量を減らすことができますね。

 

菓子パンはパンじゃないと考えよう。

以前に“お米の良さを見直そう!” 1
https://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/308/)というというタイトルでコラムを書きましたが、そこに記載した表を再度見てみましょう。
そして菓子パンを手に取った時には原材料名を確認してみましょう。ショートニング・ファットスプレッド・マーガリンの文字が確認できるのではないでしょうか?

そもそも菓子パンは食事の主食とは考えたくないほど、砂糖や油を多く使用している物もあります。
そのため、菓子パンはお菓子と考えた方が良いでしょう。

さて、皆さんはトランス脂肪酸について、どのように考えますか?
ちなみに我が家にある油は、オリーブオイル・ごま油・バターのみです。

 


◆執筆者:河谷彰子氏

管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ  アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師

日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。

URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm