和風出汁のとり方はご存知ですか?(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)

河谷彰子タイトル49

私が幼稚園児の頃の思い出です。1
祖母の家で食べるお米が非常に美味しかったので、母に『どうして家のご飯より美味しいの?』と聞きました。母は『水加減の違いじゃない?』と答えました。
十数年後、母は私に『実は、あの時ハッとした。』と教えてくれました。
それまで古米だったのを私の一言がきっかけで新米を買うようになったそうです。
子供は大人よりも味に敏感です。そして食習慣によって味の閾値に変化がある等、味覚が変わっていきます。せっかく素敵な味覚を持って産まれたのですから、それを大事に育ててあげたいなと思う今日この頃です。

(写真:大好きだった祖母と母の手作りケーキと海苔巻きで4歳のお誕生日をお祝い)

旨味調味料は便利だけど、知っておきたい出汁のとり方

旨味調味料が普及して、パッパッパとだしが出来上がって便利になりました。
ここまで普及すると“毎日食材から出汁をとりましょう。”とは言いづらいですが、だしのとり方は知っていて欲しいなと感じます。
そこで、昆布と鰹節の合わせ出汁について確認をしてみましょう。1

一番出汁:出汁の味・風味の良さが分かる、お吸い物・茶碗蒸し・お雑煮等に使用。

1

②の火加減:10分で沸騰する位の火の強さが良い。
短すぎると十分に旨味が出ず、長すぎると昆布の生臭さが出てしまう。
③昆布の固さの目安:爪を立てて、後がつく位の軟らかさになったら取り出す。1

二番出汁:旨味の多くは一番出汁に出てしまうが、煮物・味噌汁等、しっかり味付け
する物に合う。昆布と鰹のクセの部分が出汁に出るので、香りが強くパンチのある味になる。
1

 

旨味は日本人が発見した!

旨味は“umami”として世界の公用語だってご存じですか?1

基本の味は“甘味・酸味・塩味・苦味・旨味”の5つで、舌の味蕾にある味細胞が味物質をキャッチして味として認識します。
一方で “辛み”は痛覚を刺激し、“渋み”は粘膜の収れん作用によって起こる感覚のため、味ではありません。(そのため、辛味・渋味と記載するのは間違いです。)
1908年、昆布から旨味(グルタミン酸)を日本人が発見するまで、旨味は“甘味・酸味・塩味・苦味”の4つの味覚が合わさった物と考えられていました。
さらに1913年に日本人が鰹節から新たに旨味(イノシン酸)を発見しました。そして1985年、旨味は“umami”として世界の公用語になり、2000年には旨味の受容体がある事も発見されています。こうしてみると、旨味を認識されたのは最近なんですね。

旨味と認識せず、美味しいからと出汁を昔から使っている日本人の食文化は大切に伝えたいなと感じます。
特に、小さなお子さまのいらっしゃるご家庭では出汁を食材から作ってみませんか?子供達の反応が楽しみですね。
そして、旨味を上手に使えば、減塩にもつながるため、高血圧症の予防や改善にも貢献しますよ。痛風の方は、動物性の出汁(鰹・いりこ・あご・チキン・ビーフ等)より植物性の出汁(昆布・椎茸等)がお勧めでしたね。(https://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/634/

 


◆執筆者:河谷彰子氏

管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ  アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師

日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。

URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm