春眠暁を覚えず…でも、寝るべき時間に寝て、起きるべき時間に起きよう!(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)

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“春眠暁を覚えず”1
春の夜はとても眠り心地が良いので、朝が来たことにも気づかず、つい寝過ごしてしまう。
トップアスリートには、あまり通用しないことわざかもしれません。
健康管理には、運動・栄養・休養が大切な要素だという事は、皆さんもご存知でしょう。さらにアスリートはパフォーマンス向上が必要とされるため、より精度の高い栄養・休養のとり方が必要とされると言えます。
そこで、トップアスリートを例に工夫方法をいくつか紹介して参ります。

規則正しい生活は体調管理がしやすい。

トップアスリートはおおよその就寝時間と起床時間を決めています。生活リズム1
を毎日同じように過ごしていると体調管理がとてもしやすいです。
体重は指標の一つではありますが、様々な事を教えてくれます
アスリートの毎日の体重をチェックしていると、リズム良く過ごしている方は日々の体重変化は小さいですが、不規則な生活をしている方は日々の変動が非常に大きいです。

アスリートでなくても、不規則な生活は体重が大きく増減したり、疲労回復がスムーズに行なわれません。長期間不規則な状態が続けば、風邪をひきやすかったり、生活習慣病になり兼ねません。

アスリートにとって、睡眠の質や十分な睡眠時間はやる気・集中力・状況判断能力を向上させたり、緊張や疲労の軽減や習得した技術を脳で整理することに貢献します。
寝だめはできません。アスリートに最適な睡眠時間は8~10時間とする調査結果もあります。トレーニングを後押しするよう睡眠の質もこだわっておきたいところです。
(成長ホルモンは夜10時~夜中2時に多く分泌されているのではない!
https://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/2939/)も参照にどうぞ)

就寝直前に食事はしない。

“寝る前3時間に夕食を終わらせると良い”という話を耳にしたことはありますか?1
睡眠時に胃での消化が終わっている事が睡眠の質を高めるポイントです。
普段の夕食時間や就寝時間は決まっているが、会食があり、どうしても普段より夕食時間が1時間ほどずれてしまう場合に、就寝時間も1時間ほどずらすというトップアスリートもいらっしゃいます。

アスリートでなくても、残業で夕食時間が遅くなるという場合は、早めの時間帯におにぎり等の主食を食べておき、その後油・脂が少ないおかず1品+野菜料理を食べるというのも1つです。

休日でも朝食時間をずらさない。

“早寝早起き朝ごはん”という標語もありますが、朝ごはんは本当に大切です。1
(この話は、また別の機会に致します。)
朝食は食べているが、休日の朝食時間が非常に遅いという事はありませんか?トップアスリートの休日の朝食時間は遅くなっても1時間程度です。
朝食時間が遅くなれば、昼食時間が遅くなります。場合によっては兼用になってしまい、1日に必要な食事量がとれず、体重に大きな変動が起こってしまいます。
休日前日の夜は力いっぱい遊んだり夜更かししても、普段と同じような時間帯に起きて朝食をとる。そして日中は昼寝をしても寝すぎない。そういうちょっとした工夫がアスリートの体調管理につながると感じます。

いかがでしょうか?
アスリートでなくても、試してみると良さそうな事ではないでしょうか?

 


◆執筆者:河谷彰子氏

管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ  アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師

日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。

URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm