夏でも持ち歩きしやすい補食とは(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)

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夏休みですね。運動の部活に入っている方々は、いつもより運動量が多くなって、1
体重が落ちやすい時期とも言えます。食事量や補食量や回数を増やす事も大切になってきます。練習前後にお勧めの補食として“おにぎり”が挙げられますが、コンビニが近くに無くて、暑い時期は持ち歩くのが心配という方もいらっしゃるでしょう。
ゼリー飲料は選択肢の1つとしてはありですが、食べた気がしません。食品を感じさせる事ができる、且つ持ち歩きしやすい補食について考えてみたいと思います。

運動する前後のエネルギー補給に炭水化物を多く含む補食例

テニスの試合中にバナナを食べている様子がテレビに映る事がありますね。1
また、プロサッカーチームによっては、ハーフタイム中にバナナを食べています。
バナナは果物の中でも炭水化物量が多く消化が早いため、スムーズにエネルギー補給できる食品と言えます。バナナ1本は約100kcalです。
中には、バナナを食べすぎてバナナ嫌いになってしまうジュニアアスリートもいます。早めに、バナナ以外のアイテムを増やしておきたいところです。

フルーツは糖分が多いため、エネルギー補給出来る食材の1つであるので、ドライフルーツも良いという事ですね。
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運動量が増える分、水分量も増やしたいところなので、ドライフルーツと共に、水分補給量は多めにとっておく事もお忘れなく。

缶詰入りのパン乾パンというのもアイテムの1つにいかがでしょうか?1

海外遠征でご飯が恋しくなりそうという場合は、レンジでチンするタイプのパック入りのご飯レトルト状のお粥というのもお勧めです。お粥にはフリーズドライタイプもあるので、持ち運びにも便利ですね。

運動後のたんぱく質補給にたんぱく質を多く含む補食例

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常温で売っている商品は、常温保存が可能です。たんぱく質の補給の補食アイテ1
ムとして魚肉ソーセージはいかがでしょうか?
肉や魚100gには、約20gのたんぱく質が含まれています。魚肉ソーセージ100gには、肉や魚と比べると、たんぱく質量は約半分ですが、補食としては良いのではないでしょうか?カルシウムを多く含むため、骨づくりにも役立ちますね。

常温保存牛乳(LL牛乳)という牛乳をご存知ですか?1
殺菌方法・パック方法・容器の工夫により、文字通り、常温保存が可能な牛乳です。(ただし、封を開けたら普通の牛乳と同様の保存が必要です。)
牛乳に含まれるアルブミン(アミノ酸の1種)が熱中症予防に良いと最近言われています。筋肉づくりにも、骨づくりにも、そして熱中症予防対策として運動後の牛乳は、とっても良いと言えそうです。

今日はいつもよりハードだったな。ビタミン補給をしたいという時の補食例

野菜ジュースの中でも、緑黄色野菜を多く含む物・ビタミンAもしくはβカロテンを多1
く含む商品を選ぶと良いです。

これからの補食アイテムに何が便利そうですか?

ちなみに、差し入れをする場合は、スポーツドリンクやお菓子類よりも、上記の食材の方がトレーニングを後押ししてくれそうです。
すぐに食べてもらえるような状況であれば、フレッシュなフルーツは水分補給になって良いですし、冷凍バナナはアイスキャンディーの代わりになって嬉しい補食になりますよ。

 


◆執筆者:河谷彰子氏

管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ  アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師

日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。

URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm