野菜不足を解消するための提案
<野菜不足を解消するための提案>
日本人は野菜不足である事を以前のコラムで指摘しておりますが(ポパイのほうれん草に変わる策はないか?https://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/4161/)、どのように野菜を食べる量を増やしたら良いのか?その工夫の方法を、最近、私がアスリートの海外遠征に帯同した際に提供した食事を例にご紹介したいと思います。
健康を維持するための食事の基本である、“ご飯+おかず+野菜”をベースに考えたいと思います。
・野菜料理は1食に2品以上が目安。
野菜の目安量は1日に350g以上です。つまり、毎食に約120gという事です。
野菜100gの目安は以下の通りです。(野菜はタワシ『野菜ジュースは筋違い』https://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/101/より)
野菜100gの目安
・生野菜なら、両手一杯分
・茹でてカサが少なくなった野菜
(例:ほうれん草のおひたし)なら片手一杯分
両手一杯分のサラダを毎食に食べるのが難しいのであれば、具沢山の汁物やおかずに野菜を混ぜ込む事で、野菜を食べる量を増やすと良いですよ。
・汁物は、具沢山に
私にとって汁物は、具材を食べやすくする料理です。
汁物の中にたっぷりの野菜や多少のたんぱく質を入れたクラムチャウダー・コンソメスープ・ミネストローネ・つみれ汁・中華スープ等を朝晩に提供しました。
また、ポタージュスープ(人参・ブロッコリー・コーン・芋・カボチャ)は、乳製品もとれ、野菜がマッシュされているので、野菜がより食べやすい状態になっています。
ポタージュの基本的な作り方は、コンソメで野菜を煮て、柔らかくなったらブレンダーで粉砕し、牛乳で伸ばし、塩コショウで味を整えます。ブロッコリーのようなかさばる野菜がポタージュになると、随分とカサが小さくなり、ブロッコリーの旨味が凝縮して、とても美味しいです。
・肉や魚のおかずは、野菜を混ぜ込む!
肉や魚のメインの料理は、誰でも箸が伸びるでしょう。そこで、野菜を一緒に食べる事ができるよう工夫をしました。
朝食料理に卵料理をおかずの一品として提供しましたが、その際にソテーした野菜を混ぜ、キッシュやオムレツを作りました。フライパンで作っても良いのですが、コンロに張り付かなくても良いよう、オーブンを使用しました。
焼売を作る際は、肉を包む皮を作る時間を惜しんだこともあり、代わりに刻んだ野菜(キャベツ・人参)と缶詰のコーンをまぶして作りました。見た目にもカラフルで食欲を刺激したためか、大変好評でした。
ソテーした魚や肉に野菜ソースをかけた料理や、カレー粉でソテーにした鮭やズッキーニにサルサソース(トマト・ピーマン・赤パプリカ・ひよこ豆等)をトッピングした料理は、予想以上に人気でした。
から揚げを提供した際は、から揚げの中心にたっぷりの野菜を盛り付け、一緒にとるよう仕向けました。案外良い手だったと感じています。
野菜はカラフルなので、彩りになります。つまり疲れて食欲が落ちがちな時も食欲アップにもつながりやすくなりますし、野菜のビタミン・食物繊維をはじめとする栄養素を積極的にとることができますよ。
野菜不足解消の参考になりましたか?
◆執筆者:河谷彰子氏
管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師
日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。