ニュージーランドのサーモンは絶品!



 2019年はスペイン・イギリス・ニュージーランドと計3回、1回約2週間の海外遠征に帯同したのですが、その際に頭を悩ませた1つが魚料理です。
 海外でも魚は手に入りますが、
 ・漁獲水域の違いによって、見た事のない魚が多い。
 ・料理する事はできても、食べた事のない魚の味に抵抗がある事がある。
 等の理由から、スーパーの魚売り場では、どんな料理だと選手は美味しく食べてくれるのだろうか…とウロウロしていました。
 今回のニュージーランド遠征でも、一足先に現地に到着していたコーチに、魚売り場の写真を送ってもらい、事前に美味しく食べられそうなレシピを調べて行ったのですが…

・サーモンは、どの国でも美味しかった。
 サーモンは、どの国でも手に入れる事ができ、選手にも人気でした。
 調べてみると、ニュージーランドにはサーモンの養殖場があるようで、ニュージーランドで購入できるサーモンのほとんどがキングサーモンなのに対し、日本では多くがアトランティックサーモンのようです。
 サーモンの種類は違いますが、見慣れた魚である事の安心感も手伝ってか、サーモン料理は、とくに選手に人気でした。
 夕食には、肉料理と魚料理の両方を用意するのですが、選手からは「魚料理は、毎日サーモンで良いよ。」と言われた位です。

・1番人気だった〝南蛮漬け〟

 

 

 

 

 通常、南蛮漬けは揚げますが、余計な体脂肪を付けたくないという理由と、サーモンに脂がのっていたため、ソテーしました。サーモンから脂が沢山しみだしてくる事もあったのですが、その際は、ソテーの際に油は使わずに焼きました。
 お酢の酸味が、疲れている時でも食が進むおかずだったのでしょう。「毎晩、南蛮漬けでも良いよ。」と選手に言われた位です。さすがに毎晩は作りませんでしたが、ニュージーランド遠征中、3回は作りました。

・おにぎりに、ご飯のお供に〝サケフレーク〟


サケフレークは、とても簡単に作る事ができ、購入するより安価です。お好みで胡麻を加えても美味しいです。沢山作って、冷凍保存しておいても良いですね。ご飯に混ぜて、おにぎりにしても良いですし、たんぱく質をとりたい時のご飯のお供にも良いです。
サケフレーク・ツナフレーク・鶏そぼろ等をおにぎりに混ぜてみましたが、サケフレークが一番人気で、選手からは「手作りの鮭フレークは買った物より美味しいね。」と高評価でした。

私は、以下のジャガイモ料理にもサケフレークを加えてみました。

緑・赤・黄色がそろうと美味しそうに見えるため、ブロッコリーがインゲンやピーマンでも良いですし、ケチャップをかけずに赤パプリカを使っても美味しそうな見た目になります。サケフレークにも味がついているため、ジャガイモに塩コショウをしなくても美味しく食べられます。そのため、本来ケチャップは無くてもOKです。(見た目に赤がほしかったため少しだけかけました。)
手間はかかりますが、ジャガイモをケースにする事で、見た目も綺麗ですし、パクっと食べやすい料理です。
今回は、特に大人数が異なる時間に食事会場に来ていたため、食べかけの途中の見た目が美しく無い事が気になったため、このように提供しました。

・ちらし寿司にもサーモン! 
 海外では、なかなか刺身を食べる事ができません。
 そこで、2回提供した〝ちらし寿司〟にスモークサーモンを使うことにしました。
 今回は大量調理であることと、海外では手に入らない具材も多いため、日本から、ちらし寿司の素を持っていきました。
 1回目はケーキ型を使い、ちらし寿司を押し寿司にし、間にスモークサーモンを挟み、上に錦糸卵(手作り)とスモークサーモンをバラのようにトッピングしました。
 2回目は押し寿司の型を使って、やはり間にスモークサーモンを挟み、上に錦糸卵又は茹でたインゲンを刻んだ物をトッピングしました。
 「間に合うかな~」と慌てる私を見ていた選手に、「時間がないなら、そのままボ~ンと盛り付ければ良いじゃない。」と言われましたが…
 ジャガイモ料理と同様、食べかけの途中の見た目を気にした事と、押し寿司にすると、パクっと沢山食べやすい料理になるためという私の戦略ですから、そのままボ~ンとは提供しません。
 ケーキ状の時は、食事会場に来た選手が「今日は、誰かの誕生日~?」と言っていました。そしてケーキのように、ナイフで綺麗に切り分けて食べていました。

 その他にも、サーモンのカレーソテー・麹味噌漬け焼き・サーモングラタン・ピザのトッピングにサケフレーク等、本当に沢山のサーモンを料理しました。選手がサーモン嫌いになるのではないかと心配した位です。
 選手は「ニュージーランドで一生分のサーモンを食べた感じ。でも嫌いになってないよ。」と笑っていました。私は「一生分のサーモンの皮を剥がした感じ。しばらくサーモンはいいや…」という会話があった位です。
 写真は、サケの南蛮漬けを作りながら、キッチンから見える海でレースをしている選手の中継をiPadで観戦しながら料理をしているところです。

 海外遠征中の料理&大量の調理&大切なレース期間の食事提供と、どこを切り取っても大変な事ばかりでした、とても良い経験になりました。

◆執筆者:河谷彰子氏
管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ女子代表栄養アドバイザー・サクラフィフティーン女子代表栄養アドバイザー・アカデミー(男女)栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師・上智大学非常勤講師
日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。
http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm