スポーツの秋”ですが、運動は苦手…という方へ。(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)

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運動を勧められても “きつい・・・” “忙しいから時間がない・・・”等、1
積極的になれない方はいらっしゃいませんか?
ポイントは今より少し身体を動かす事。そして何より継続させたいですよね。

 

 

 

太ももには30%弱の筋肉が詰まっている。

体脂肪燃焼には筋肉を動かす事が大切です。2
そして大きな筋肉を動かした方が消費するエネルギー量は大きくなります。
脚には全身の筋肉の約25%、脚・お尻を合わせると約35%の筋肉が詰まっています。
良い姿勢(お腹やお尻の筋肉も使いながら)で、太ももを使った運動であるウォーキング・スクワット・ジョギング等が脂肪燃焼にはお勧めです。
昔は30分以上続けないと脂肪は燃焼しないと言われていましたが、今は“10分を3回に分けても良い。”とされています。
3 歩くと息が上がって…と言う方は、ゆっくりで良いので1ヶ月続けてみましょう。だんだんと息が上がらなくなりますよ。
体重60kgの人であれば、普通に歩いて約30分又は早歩き約20分、ジョギングなら1kmで100kacl消費します。
食事(前回を参考)と比較すると、食べるのはあっという間ですが、100kcalを消費するのって大変ですね。

 

 

年齢と共に筋肉量は落ちてしまうからこそ、普段の姿勢から気を付けたい。

ロコモティブシンドローム(運動器症候群)という言葉がありますが、加齢や整形外科的な痛みがあって動かせない、もしくは動かさないと、筋肉が落ちて日常生活に支障が出てしまいます。
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研究者の中には貯筋と呼ぶ方もいらっしゃいますが、ロコモティブシンドロームになる前に筋肉量を多く(貯筋)しておく事が大切です。
大腿四頭筋(太もも前側の筋肉)は動かしていても加齢により1年で1%、動かさないと2日で1%も減少してしまうそうです。

さらに20歳代前後と50歳前後を比較すると、腹直筋(お腹の筋肉)は約25%、大腿四頭筋は約15%減少するという研究結果もあります。名称未設定-1
若いうちから筋肉を動かして貯筋しておいた方が良さそうですね。
“筋トレはきついから~”と言う方!筋肉痛が起こるような運動も良いのですが、まずは普段の生活で出来る運動から始めてみませんか?

例えば…脊柱起立筋(背中の筋肉)は身体の中でも一番大きな筋肉で、姿勢維持に大切です。テレビを見ている時の姿勢・食事中の姿勢等、普段から姿勢を良くしているだけでも、ちょっとした運動と言えます。
椅子に座ったまま膝の上げ下ろしをするとお腹や太ももに刺激を与える事ができます。
(整形外科に通院中の方は医師に相談してから運動を実施しましょう。)

 

 

 

プールって良いんですよ。

陸上の運動と比較すると、水中の運動は“水圧・浮力・抵抗・水温”に大きな違いがあります。膝が痛い等の関節の痛みがある方は、水中だと関節の負担が少なくなるので、痛みを軽減しながら、関節周辺の筋肉は勿論、全身の筋肉に刺激を与える事が出来ます。8
水中だと(体脂肪率により異なりますが)、脚にかかる体重が膝位の水位で約90%・肩で約10%になります。(温泉水ではさらに浮力が大きくなります。)
陸上でのウォーキングが難しいという方は、プールでのウォーキングから始めてみませんか?
一人で黙々と歩いても楽しくないな~という方は、温浴施設の中にはアクアビクスや水中でのストレッチを教えてくれるところもありますよ。(https://www.shirokawa.jp/kuaterume/group.html

スポーツの秋!今までのスポーツのイメージを少し変えて、楽しく!今までよりも少しだけ身体を動かしてみませんか?

 

 


◆執筆者:河谷彰子氏

管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ  アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師

日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。

URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm