やっぱりお酒って?の疑問(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)

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食をテーマにセミナーを担当する事があるのですが、1
その際、必ずと言っていいほど、セミナー後、コソコソっとこう質問してきます。
栄養士にはダメと言われそうな聞きづらい質問についてお話し致します。

 

 

やっぱりお酒って良くないですよね・・・?

私なら “まずはつまみに気を付けると良いですよ。”と答えます。

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つまみに油が使用された物や脂肪分が多い物を選ぶのと、そうでないのでは随分とエネルギー量に違いがありますね。
さらに、アルコールの処理には肝臓が関わりますが、肝臓は脂肪の分解もかかわっています。
つまり、お酒と一緒に油・脂が多いつまみを食べると肝臓の仕事が増えてしまい、コレステロールや中性脂肪の増加原因になったり、脂肪肝になりやすくなると言えます。

飲むなら何が良いですか?

100ml当たりのエネルギー量を比較すると、アルコール度数の高い物ほどエネルギー量は多くなります。
しかし、アルコール度数が低い物は1回飲酒量が多くなるため、どれが良いとはなかなか言えません。

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通常エネルギー量(カロリー)は下記の式で算出されます。

“エネルギー量=たんぱく質量×4+脂質×9+炭水化物×4”

しかし、アルコールの場合は異なります。アルコール1gが約7kcalのため、蒸留酒の場合、たんぱく質・脂質・炭水化物がゼロでもエネルギー量は発生します。
アルコールのエネルギー量全てが摂取エネルギー量にはならず、いわゆる“エンプティ―カロリー”と言って、エネルギー源にならない分もあり、飲酒後の酸素消費量の増加や血行促進によって消費されるとも言われています。しかし、だからと言って、アルコールはカロリーゼロな訳ではありません
アルコールの約1/3が肝臓で処理され、飲酒量によって異なりますが2/3がエネルギー源となるとされています。

痛風が心配だという方は、プリン体が少ない物を選ぶと良いでしょう。
痛風については、また別の機会にお話ししましょう。

適量の飲酒量と言われているアルコール量20gのエネ9
ルギー量を比較すると、蒸留酒は醸造酒よりエネルギー量が少なくなるのは含まれている炭水化物量が少ないためです。

現実的には、ビール好きな方に焼酎を勧めたところで飲む種類を変えるとは考えづらいので、結果私はつまみに気を付けましょうとお伝えしているのです。

 

 

忘年会・お正月・新年会と年末年始は何かと会食が多くなりがちですが、少しの工夫が随分と健康面に違いが出るのであれば、気を付けた方が良さそうですね。
こんな時期こそ体重を毎日チェックしながら、健康管理してみませんか?

 


◆執筆者:河谷彰子氏

管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ  アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師

日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。

URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm