受験中の夜食って必要?(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)
この時期に多い質問の1つ。“受験生の夜食は何を食べれば良いの?”
う~ん…と、私は歯切れの悪い返事をしてしまいます。
何故なら“夜食=エネルギーを補給する物”は、あまり必要ないのでは?と考えているからです。
その理由と対策についてお話ししたいと思います。
脳を使う。糖分補給は必要だけど・・・
脳のエネルギー源は炭水化物(糖分)ですが、1時間当たりに消費する糖分量は
約5g(20kcal)だそうです。20kcalは飴玉約1個分です。
夕食に“ご飯+おかず+野菜”をそろえて食べていれば、夜食は必要なさそうですね。
以前“夜は日中より20倍太りやすい?!(https://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/400/)”というお話に触れた事がありますが、受験勉強中で部活がお休みという方は、特に夜の食べ過ぎには気を付けたいところです。
塾からの帰宅時間が遅く、夕食時間も遅いという場合は、塾の前又は途中でおにぎり1個分位を食べて、帰宅後におにぎり1個分のご飯におかずと野菜料理を食べるというように、2回に分けても良いですね。
野菜は低カロリーのため、たっぷり食べておきたいですし、食物繊維が腹持ちを良くするため、お腹が空くまでの時間を伸ばし、夜食を食べたいという気持ちにならないかもしれませんよ。
受験期間中は特に朝方にして、夜食を食べずに寝て、早朝に起きて朝食を食べて脳にエネルギー補給してから勉強したら良いですね。
運動系の部活の方は、受験中(部活が少ない・無い時期)に体脂肪を増やしたくない。
“受験中に夜食を食べていたため、体脂肪が大幅に増加してしまった。”
という、アスリート受験生の話をよく耳にします。
普段よりもトレーニング量が少ないにも関わらず、食事量があまり変わらないためだったり、受験勉強というストレスからお菓子を食べ過ぎたり、ジュースを飲み過ぎたためです。
受験が終わりトレーニングを再開した時に、体脂肪が大幅に増えていると、身体が重すぎて元のパフォーマンスに戻るまでに時間がかかってしまい、精度の高い技術面のトレーニングに取り掛かる事が出来ません。
筋肉量が落ちてしまうのは、どうしても避けられませんが、体脂肪をなるべく増やさない事が大切でしょう。
では、何を食べると良いのか?
食べない方が良いと分かっていても、夜食を食べたいという場合は、
低カロリーでよく噛む必要がある物を食べたら良いです。
噛む動作は食欲を満たす効果があります。
さらに血流が良くなり、脳の血流量も上がるため頭も冴えてくるでしょう。
ということで、ガム・野菜スティック・スルメというのはいかがでしょうか?
多少の糖分補給も兼ねて、リンゴというのも良いかもしれませんね。(フルーツの中でも、エネルギー量が比較的少なく、噛むため。)
温かいうどんのような麺類を食べたいという場合は、
麺をしらたき等の蒟蒻麺にして、野菜を入れて食べるというのはいかがでしょう?
本番まであと少し!健康管理に気を付けながら、受験を乗り切りましょ!
◆執筆者:河谷彰子氏
管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師
日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。