2月6日は、海苔の日(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏)

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海苔の摘み取りは11~3月中旬で、寒い時期が旬です。1
海苔は、昔から貴重な食品でした。古墳時代には、年貢として一部、海藻が納められていたそうです。奈良時代には、海苔は貴族のご馳走で、貴族向けに海苔の佃煮が売られていたそうです。
一般庶民に親しまれるようになったのは江戸時代になってからで、東京の品川・大森辺りの東京湾で海苔の養殖が始まったおかげです。
海苔を使った代表的な料理には、おにぎりや海苔巻きがありますが、2/6は海苔の日という事なので“海苔”について、コラムにしたいと思います。

海苔の単位

最近では“おにぎり用”“手巻き用”と言ったサイズがありますが、海苔のサイズの基本は、大きい海苔1枚を“全型 ぜんけい”と言い、サイズは縦21cm×横19cmです。その半分が“半切 はんさい”と言います。縦に切る場合と横に切る場合でサイズは異なりますが、半切は手巻き寿司によく使用されるサイズです。
“3切(さい)”は全型の1/3サイズで、おにぎり用として最近よく販売されています。
その他には4・6・8・12切があります。
また、全型10枚を“1帖(じょう)”と呼びます。

おにぎりの進化版である“おにぎらず”では、全型を使用するレシピと半切を使用するレシピがありますが、不器用な方は全型だとご飯がきっちり包めてお勧めです。
海苔には、表と裏があり、ザラザラしている面が裏です。こちら側にご飯を1
乗せると表が表面にでるため、出来上がりが綺麗になります。しかし、海苔を巻いてから時間が経って食べる場合は、表面にご飯を乗せて、裏面が表面に出た方が海苔のパリっと感や海苔の風味が残りやすいという方もいます。皆さんは、海苔のどちらをおにぎりの表面にしていますか?食べ比べてみるのも面白そうですね。

海苔は言わずと知れた低カロリー食材

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よく食べられている海苔には、表の食品がありますが、種類によって栄養素が異なるのは、使用されている海藻の種類が異なるためです。日本の焼きのりに使用されている代表的な海苔は紅藻の“アサクサノリ・スサビノリ”です。青のりに使用されている代表的な海藻は緑藻の“アオサ・アオノリ・ヒトエグサ”です。焼きのりを日の光に透かして見ると若干赤っぽいのは紅藻だから、青のりが緑色なのは緑藻だからと、見た目でも異なりますよね。
海苔は海藻が原料のため、どれも低カロリーです。
しかし海苔の種類によって含まれている栄養成分に若干の違いがあります。青のりの原料にアオサがあるため、共通してカルシウムが多いと想像できます。
ごぼうは、食物繊維が多い野菜の1つとして知られていますが、ごぼう20gに食物繊維1.1gが含まれており、焼きのり全型1枚分に相当します。便秘気味の方・LDLコレステロールが高めの方は、ご飯のお供に海苔というのも1つかもしれません。
ビタミンAを多く含む食材の1つに緑黄色野菜があります。緑黄色野菜の定義は100g当たりβ-カロテンが600㎍入っているというのが基準になります。表をみると、3gで既に緑黄色野菜の基準である600㎍以上が含まれているのが分かります。ビタミンAは、目の健康を保ったり、粘膜を健康に保つ役割があり、風邪予防のビタミンとも言えます。不足すると、目が乾燥しやすくなったり、胃腸の粘膜が傷つきやすくなります。普段から緑黄色野菜不足かも・・・と感じている方は、ほうれん草の磯和え(茹でたほうれん草+味付け海苔)を野菜料理の一品として加えるというのはいかがでしょうか?

ちなみに、韓国のりに使用されている代表的な海藻は“オニアマノリ・マルバアマノリ・ツクシアマノリ”の3種類です。韓国のりはごま油・塩がまぶしてありますが、日本の海苔と食感や風味が異なるのは、海藻の種類と言えます。

海苔が美味しい訳

海苔には“グルタミン酸・イノシン酸・グアニル酸”の旨味成分が含まれています。以前にうまみ成分についてふれていますが(サルサソースhttps://www.shirokawa.jp/column/kawatani_akiko/1483/)、旨味は1つよりも組み合わせると味の相乗効果があります。海苔が美味しい訳です。
お酒のつまみとして、私は味付け海苔を食べる事があります。肉や魚のおかずやスナック菓子や煎餅等の菓子類、そしてナッツ類を増やすよりも低カロリーなので、食べすぎを防ぐ事が出来ます。何と言っても美味しいです。

おにぎりや海苔巻き以外にも、サラダのトッピングに・野菜と和える・納豆に混ぜる・卵焼きに混ぜる・魚のムニエルの衣に混ぜる等、色々海苔をアレンジ料理に活用してみるのも良いかもしれませんね。皆さんオリジナルの海苔料理は何ですか?

 


◆執筆者:河谷彰子氏

管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ  アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師

日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。

URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm