コンビニの使い方

河谷彰子タイトル125

<子供達がコンビニで何を食べ物として選んだら良いのか?>

我が家の周りには沢山の学校が隣接し、コンビニもあちこちにあります。1
コンビニから出てくる学生がいると、思わず手元をチェックしてしまいます。そして、〝あ~残念!〟〝いいね~〟等と、心の中で呟いています。
どこへ行ってもコンビニを便利に使う事が出来る時代だからこそ、使用を禁止すること以上に、正しい選択ができるよう教育する事は、とても大切だと感じます。

・保存料等の添加物は大丈夫なの?

この質問をよく親御様から頂きます。1
私はひとまず〝心配であれば、保存料を使っていないと謳っているコンビニや商品を選んではいかがでしょうか?〟と答えます。しかし、本当はそんな一言では終われない位の私の考えがあります。
添加物に対する私の考えを大きく変えた本があります。
食品の裏側(安部司著 東洋経済新報社)という本で、第2段もあります。
本の帯にあるように、読んでいる途中で〝知れば怖くて食べられない!〟という気持ちになります。
今の世の中、添加物ゼロの食生活を送るのは難しいと言い切って良い位に、添加物で溢れています。別にコンビニの食べ物だけが、特別多い訳ではないのです。だからこそ、自分なりのルールを決めるしかないと感じています。なるべく添加物をとらないように心がけるための私のルールは2つです。
・調味料を買う時には、安いからと飛びつかず、原材料をチェックする。
・冷凍食品は、基本的に買わない。

コンビニを使う時だってあります。忙しくて外出先で食べるお弁当を準備できなかった時や、食べるまでの時間が長くて衛生的に不安がある時です。
添加物について気になっている方は、この本を読んでみてはいかがでしょうか?

・食事なのか?間食なのか?

朝昼夕食に値する食事であれば1食に〝ご飯+おかず+野菜〟がそろっている事がポイントです。

(ご飯:米・パン・麺類等の炭水化物が多い食品/おかず:肉・魚・卵・大豆製品等のたんぱく質が多い食品)

スポーツをしていて、特に運動量が多い方の場合はご飯(主食)量とおかず量は、ほかの人より少し多めである必要もあるでしょう。さらに、乳製品がついていれば最高です。
1
中学生であれば、おにぎり2~3個が1食分のご飯量になるでしょう。
そして、おかず・野菜は何を選ぶか?
おにぎりをわざわざ買うのは高くつくな~と感じるのであれば、おにぎりは家から持っていくのか?
気になる惣菜パンがあるから、それは買って、おにぎり2個は家から持っていくのか?
丼ものであれば、十分な量の〝ごはん+おかず+野菜〟があるのかを確認し、足りない分をプラスすれば良いでしょう。野菜が不足しているから、サラダ等の野菜料理をプラスするのか?高いから(やむを得ず)野菜ジュースにしておくのか?家からプチトマトは持っていく事にするか?
等と考えて選べるようになると良いでしょう。

間食として、何かを購入する場合も同様です。
お腹が空いたのであれば、ごはん・パン・麺等の炭水化物がキーワードになります。
私の一番のお勧めは〝おにぎり〟です。
運動を頑張っていて、筋肉量を増やしたいのであれば、炭水化物・たんぱく質がキーワードになります。
おにぎり+サラダチキン・ツナサンド+牛乳等がコンビニで売っているものでしょう。
〝いわゆる菓子類〟を食べたい時は〝〇〇kcalまで〟等、自分のルールを作って食べすぎないようにすると良いでしょう。

エネルギー量や原材料をチェックすると色々な事が見えてきます。
水分補給のつもりで購入したドリンク類に大量の砂糖(炭水化物)が入っていたり、お腹が空いたからパンを!と思って購入した菓子パンには随分と油(脂質)や砂糖(炭水化物)が使われていたりします。私はよく〝菓子パンは、パンではなく、お菓子!〟と学生に伝えています。

先日、信号待ちをしていると、コンビニから出てきた部活帰りの数人の学生がやってきました。どうやら、皆で箱に入ったファミリーパックの棒アイスを購入したようです。
その内の一人は『僕は要らない。』と言って、アイスを食べていませんでした。『なんで~』と言われていましたが『食事を美味しく食べたいから…』と答えていました。私は “格好いいぞ!”と言って、肩を組みたい位の気持ちでした。
子供達にも人付き合いがあり、皆と同じでないと仲間外れになる…という場面もあるでしょう。また、自由に何かを買う事ができる!という解放感もあるでしょう。
年齢によって伝え方は異なりますが、〝このタイミングではこれを食べたら良い〟〝これを食べる事が格好良い。〟という事を伝えていく事は、将来の健康を大きく左右すると痛感します。
特に小中学生の年代である〝コンビニ初心者〟には、お金を渡すだけではなく、何を食べたかを確認する必要があるのではないでしょうか?

 


◆執筆者:河谷彰子氏

管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ  アカデミー栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師

日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。

URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm