何故、その料理を選ぶのか?

河谷彰子タイトル123

 スーパーで買い物中、〝今、売れています〟のシールが張られたサーモンの握り寿司がありました。
結果的に私は、この握り寿司を購入しているのですが、頭の中で色々な事が駆け巡りました。
そんな私の頭の中をコラムにしてみます。

購買欲はどのように高まるのか? その①

 会社員だった頃、とあるリゾート施設のお土産コーナーのリーダーを担当しました。
上司から〝半年間で、顧客単価を今の倍に。〟という指示がありました。
商品陳列について、色々と勉強し、研究し、商品の品ぞろえは全く変えず私は3か月でその目標を達成しました。(そもそもの顧客単価が低かった…。)
そんな事を考えるようになると、どこへ行っても、なぜ私はその商品を買いたいと思うのか?陳列に踊らされているのではないか?商品のパッケージなのか?店員さんの声掛けなのか?ポップのコメントのせいか?等と考えるようになってしまい、なかなか私自身の購買欲が上がらなくなってしまいました。

担当したお土産コーナーは、利用者のほとんどが女性でした。私は女心を考えるようにしました。
可愛い見た目・綺麗な陳列に始まり、色々と工夫しました。また、それまで、ほとんどお土産コーナーにスタッフはいませんでしたが、お客様のニーズに合わせて商品を勧めるよう、皆で協力をする等の工夫をしました。

購買欲はどのように高まるのか? その②

 ある電化製品の購入を検討した時、その商品を扱っている友人に相談をしました。
『購入を検討しているのだけれど、他社と比べて、あなたが担当している商品は何が優っている?』
初めの答えは『カラーバリエーションが豊富。』
それに対して、私は『色は、どうでも良い。商品の性能を聞いているのだけれど…』
『女性の8割は、色が大切と言う調査結果がありますよ。』
『…』 私は2割なのでしょう。。。と感じました。
私は電化製品に求めるニーズは、①性能 ②コストパフォーマンス ③耐久性 ④見た目のような気がします。

皆さんはいかがですか?

献立を考える時の私の思考回路

管理栄養士数名と大学時代の恩師(体育が専門)とレストランで何をオーダーするか決めていた時の事です。
何が食べたい~?というリクエストを聞きつつ、何品かチョイスしている中で
管理栄養士の一人が『たんぱく質が少し足りなくない?』と言いました。
『管理栄養士的な会話だね…』と先生に笑われてしまいました。
栄養士・管理栄養士のレストランでの会話はこんな感じです。
目の前にある料理の家での作り方・使用されている調味料について・盛り付けについて…
食のマニアだな…とよく感じます。だからこそ、誰かに食事についてアドバイスする時には、マニアでない言葉で会話しよう!と気を付けています。

 毎食の献立を考える時、私は『ご飯・おかず(たんぱく質源)・野菜』を揃えるようにします。
サーモンの握り寿司を購入した日、私の頭では、
〝野菜料理として、けんちん汁はあるな~。今日は和テイストで行こう!〟
〝冷凍庫に干物と豚肉はあるけれど、今日は作りたくない気分だな~。〟
〝刺身にする?ご飯はあるけれど…〟
等とブツブツ考え、お刺身コーナーとお寿司コーナーを行ったり来たりしていたのです。そして
〝ブリ・ハマチが食べたいかな~。〟
〝管理栄養士の先輩が、最近ビタミンDの話をしていたな…屋外競技の選手でもビタミンDが不足するって。ビタミンDか~。〟
等とブツブツ考えていたら、サケが目に入ってきたのです。

 完全にマニアな選択方法でした。

そして、シールを見ては、
〝サケのシーズンでもないのに…〟〝売れているって、何を根拠に?〟〝シールを付ければ売れるかもしれないけれど、これに惹きつけられる人は、どの位だろう?〟〝サーモンの赤に、シールの赤が引き立つかな。〟〝サケが大量に安く手に入ったから売りたいのかな?〟
等と、またブツブツ考えてしまうのです。

◆執筆者:河谷彰子氏
管理栄養士
(公財)日本ラグビーフットボール協会 セブンズ女子代表栄養アドバイザー・サクラフィフティーン女子代表栄養アドバイザー・アカデミー(男女)栄養アドバイザー
慶応義塾大学非常勤講師・上智大学非常勤講師
日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻、筑波大学大学院で体育研究科コーチ学を専攻後、運動指導及び栄養カウンセリング、食サービスの提案を行う、ジュニアユースからトップチームまでのJリーグ選手やラグビー選手への栄養アドバイスを行う。
URL:http://www.kouenirai.com/profile/2448.htm

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